2020 Fiscal Year Research-status Report
競技種目特異的な視覚情報処理特性の解明とその訓練方法の構築
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20K23273
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| Research Institution | Biwako Seikei Sport College |
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Principal Investigator |
呉屋 良真 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 助手 (10879745)
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| Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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| Keywords | 運動視 / 競技特性 / アスリート / 視覚情報処理 / 視覚 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ボールや相手選手の動きに基づいてプレーをする球技競技のパフォーマンス発揮には、視覚情報処理の中でも、物体の“動き”の速度や方向を弁別する運動視が大きく貢献すると考えられる。また、求められるプレーの違いにより、その運動視のパフォーマンス発揮への貢献は競技種目やポジションによって異なることも予想される。しかし、球技競技者の運動視特性についての報告は少ないため、競技種目特異的な運動視特性は不明なままである。本研究では、競技種目の違いによる運動視特性を明らかにするため、サルの運動視研究で用いられてきたランダムドットキネマトグラム刺激を視覚刺激とする運動方向弁別課題を構築し、サッカー競技者と卓球競技者を対象に運動視特性を調査した。視標の検出を妨げる視覚的ノイズが運動視特性に与える影響を検討するため、バックグラウンドノイズ（BGノイズ）なし条件と呈示条件を設けた。また、視覚刺激を異なる偏心度（視角8・12・16°）で呈示することで、それぞれの競技における運動視の偏心度効果の検証も行った。
その結果、視標の検出を妨げる視覚的ノイズ（BGノイズ）を呈示しない条件では、どちらの群も偏心度依存的に運動方向弁別感度は低下し、競技種目にかかわらず運動視にも偏心度効果があることが示唆された。
BGノイズ呈示条件においては、両群ともにすべての偏心度における運動方向弁別感度が低下し、視標の検出を妨げる視覚的なノイズは運動視能を低下させることが示唆された。卓球競技者は、BGなし条件と同様に、偏心度依存的に運動方向弁別感度が低下したが、サッカー競技者においては偏心度依存的な低下は認められなかった。さらに、サッカー競技者は周辺視（偏心度16°付近）における運動方向弁別感度が卓球競技者よりも有意に高く、競技種目によって異なる運動視特性が示された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度の計画は、異なる競技種目の運動視特性を明らかにすることであった。当該年度ではサッカー競技者と卓球競技者の比較を行い、競技種目によって運動視特性が異なることを示唆するデータを得ることができた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大により、研究活動に制約が生じている。このため、多くの競技者を対象に計測することができておらず、現在までの進捗はやや遅れている。
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| Strategy for Future Research Activity |
競技種目特異的な運動視特性を明らかにするため、次年度は、ベースボール型競技者や陸上競技者といった複数種目での運動視計測を実施する。その後、パフォーマンス発揮への運動視の貢献が大きいと考えられる競技種目（またはポジション）に対する運動視トレーニングを構築する。
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| Causes of Carryover |
2020年度に、研究成果をまとめた論文投稿を予定していたが、実験の進捗が予定していたよりも遅れているため、年度内の投稿ができず、未使用額が生じた。
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