2020 Fiscal Year Research-status Report
授業中に「立ち上がる」効果の検証-学校現場での疲労感改善方策の確立-
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20K23296
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
田中 良 日本体育大学, 体育研究所, 助教 (50884657)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 子ども / 教室 / 身体活動 / 疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
「疲労大国」と称される我が国では,3人に1人の子どもが疲労を訴えている.申請者らは,疲労感の軽減には,学校での授業中に「立位活動を増加させる」ことが有用であることを確認してきた.しかしながら,対象者が限られている,どの程度立位活動を組み込むことが有効であるかは不明といった課題があった.そのため,本研究は,2020年度には「立位活動を組み込む授業がどの年齢の子どもであっても疲労感を軽減するか」,2021年度には「どの年齢の子どもでも疲労感が軽減するのなら立位活動の至適量はどの程度か」を明らかにし,その成果をもとに,子どもの疲労感を軽減する方策として授業中に「立ち上がる」ことを学校現場へ提案することを目的としていた. 初年度であった2020年度には,小学1,3,5年生を対象として「立位活動を組み込む授業は小学生であっても疲労感を軽減できるか?」について調査しデータを分析する予定となっていた.しかしながら,新型コロナウィルス感染拡大の影響により,調査が実施できなかった.他方で,2021年度に実施予定となっていた「疲労感の軽減にはどんな立位活動がどの程度必要か?」については中学1年生130名を対象に2021年3月に規模を縮小して調査を実施することができた.その調査で得られたデータは,現在分析中である. 新型コロナウィルスの影響は,2021年5月17日現在でも収まっていないが,研究協力者とは2020年度に実施予定であった調査(「立位活動を組み込む授業は小学生であっても疲労感を軽減できるか?」)をどのように行えるかについて継続的に打ち合わせを行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大をうけて,調査時期はかなり遅れたものの,本研究で想定されている2つの調査のうち,1つを年度内に実施することができた.そのため,進捗状況は「おおむね順調に進展している」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,2020年度に実施予定であった調査(「立位活動を組み込む授業は小学生であっても疲労感を軽減できるか?」)を実施するとともに,得られたデータを分析する予定である.しかしながら,新型コロナウィル感染拡大状況によっては,調査の実施が困難な場合も想定される.その際は,1)規模を縮小して実施する,または,2)調査実施を延期することで調整する.
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Causes of Carryover |
本研究では,2020年9月から12月の間に,小学生を対象とした調査を実施する予定となっていた.しかしながら,新型コロナウィルス感染拡大状況をうけて,2021年3月23日に規模を縮小して調査が実施されることとなった.そのため,当該年度の実支出額が所要額を大きく下回っている. 2021年度には,2020年度に実施できなかった小学生を対象とした学校現場での調査を実施予定であるが,その際は,感染予防を徹底したうえで,多くのスタッフを動員し,調査期間・時間を可能な限り短くすることが重要であると考えている.そのため,次年度使用額については調査補助者への謝金として使用する予定である.また,調査時期が遅れたことにより,データ分析に使用できる期間も短くなっている.したがって,データ入力補助者への謝金としても使用予定である.
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