2021 Fiscal Year Research-status Report
機能的電気刺激を用いた歩行が皮質内興奮性に与える影響
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20K23298
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
湯浅 明子 藤田医科大学, 医学部, 研究員 (30878468)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 機能的電気刺激 / 経頭蓋磁気刺激 / 一次運動野 / 神経可塑性 / 運動誘発電位 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、目的動作に併せて末梢の神経や筋を電気刺激することで運動機能向上を図る機能的電気刺激(Functional electrical stimulation: FES)の一次運動野の興奮性に与える影響を明らかにすることを目的とする。特に歩行リハビリテーションと併用した際の効果を、非侵襲的神経学的手法を用いて明らかにする。中でも安全性が既に確立されている経頭蓋磁気刺激を用い、FESを用いた歩行による一次運動野の神経回路の促通・抑制効果、および神経活動の空間的広がりを検証する。これにより、FESによる脳神経機能再構築が運動機能回復を促進するという裏付けになることが期待される。 2021年度は前年度に続き、評価手法の確立ならびに計測手技獲得のため、健常者及び脳卒中患者を対象とし、経頭蓋磁気刺激を用いて、一次運動野の神経回路の促通・抑制効果の検証を行った。そして、まずは運動誘発電位を取得しすい上肢筋を対象とし、一次運動野の可塑的変化を評価する運動領野体再現マッピングの至適な刺激強度検証を行った。その結果、複数筋同時評価時には近位・遠位筋で異なる刺激強度が適切であることが明らかとなった。また、脳卒中患者では障害の程度によりマッピングが異なることが示された。さらに、健常者を対象とし、上肢の末梢神経に電気刺激を与えた時の運動誘発電位の変化について予備実験を行い、現在データ取得中である。予備実験のデータ取得遅れににより歩行中の介入には至っていない。今後評価手法を確立した後に介入へと移行予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Covid-19の影響により、患者を対象としたデータ取得に制限があり当初の予定よりも遅れている。また、機器のセットアップ及び予備実験に時間を要したため進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、電気刺激を用いた介入における評価手法の確立を中心に健常者を対象とした予備実験を行なっている。ま ずは健常者を対象とし、後に脳卒中患者を対象としたデータ取得を行う。また、まずは対象筋を運動誘発電位を取得しすい上肢筋から実施し、下肢筋へと移行する予定である。歩行中のFES効果検証を予定していたが、適応となる対象患者が少ないことが課題である。対応として、FESを用いた簡単な運動課題への変更も今後検討が必要である。
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Causes of Carryover |
Covid-19の影響により、当初予定していた国内外の学会に現地参加することができず、予算執行ができなかった。次年度もおそらく海外での現地参加は難しいものと予想されるが、その分物品の補修や計測機器の補充、論文投稿費用等に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)