2022 Fiscal Year Annual Research Report
機能的電気刺激を用いた歩行が皮質内興奮性に与える影響
Project/Area Number |
20K23298
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
湯浅 明子 藤田医科大学, 医学部, 研究員 (30878468)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 経頭蓋磁気電気刺激 / 身体再現地図 / マップ / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究で、健常者を対象に経頭蓋磁気刺激を用いて複数筋から同時に一次運動野の体部位再現マップを描出することに成功した。これを踏まえて、今年度は末梢神経に電気刺激を与えた際の一次運動野の興奮性変化を体部位再現マップから検証することを目的とした。当初は下肢を対象とすことを計画していたが、計測に問題があり対象肢を上肢とした。対象は健常者15名とし、末梢への電気刺激あり、なしの二つの条件における体部位再現マップを評価した。電気刺激あり条件は、右正中神経および尺骨神経の感覚閾値の2倍の強度の電気刺激を行った。経頭蓋磁気刺激を用い、左大脳半球一次運動野周辺を複数箇所ランダムに刺激し、第一背側骨間筋、短母指外転筋、橈側手根屈筋、総指伸筋から表面筋電図を用いて運動誘発電位を記録した。筋ごとに得られた運動誘発電位の振幅値と場所から身体再現地図を描出し、応答範囲、体積、質量重心位置を算出し、条件間で各筋の応答範囲の大きさを比較した。その結果、電気刺激あり条件の方がなし条件に比べて応答範囲は小さい傾向であることが示された。またその傾向は刺激する末梢神経によっても異な理、正中神経刺激の方が小さくなる傾向が示された。現在データ解析中であり、統計解析は今後実施する予定である。また、支配神経と筋による違いや筋間の重なり(質量重心位置の変化)についても今後解析予定である。 また、昨年度に引き続き脳卒中患者を対象とした計測も実施し、研究期間全体で30名が対象となった。 脳卒中患者においてはまず電気刺激の効果検証の前に、運動機能と複数筋から得られた体部位再現マップの関係性を調べる必要があると考え、前述の一次運動野の興奮性変化を体部位再現マップを用いて評価した。その結果、運動機能と応答範囲に正の相関があることが示された。コロナによる患者計測の遅れが生じ、電気刺激介入は未実施であるため今後検証予定である。
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