2020 Fiscal Year Research-status Report
腎臓への負担を最小限に抑える最適な運動時間の探索-腎血行動態に着目して-
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20K23306
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
川上 翔太郎 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (30881304)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 運動生理学 / 腎血行動態 / 運動処方 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中等度の持続運動が腎血行動態に与える影響について検証するものである。申請者はこれまでに運動条件の一つである運動強度に着目し、中等度以下の運動では腎血流量の低下が生じにくいことを明らかにした。しかしながら、これまでの我々の研究で用いた運動様式は「短時間」の運動であり、「運動時間」が腎血流量に変化をもたらすかどうかは明らかでない。実臨床で行なわれる運動時間は多様であり、腎血流量が「運動時間」の経過とともにどのような変化を示すのかを探索する必要がある。そこで、本研究では「運動時間」の観点から運動が腎血行動態に及ぼす影響を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨今の新型コロナウイルス感染症の世界的流行による影響で、本研究においても研究施設への立ち入りが制限されたり、本研究の測定では対象者をボランティアの公募をするため対象者のリクルートが困難な状況であり、研究活動を実施できなかった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症については未だ収束の兆しはみえないところだが、本研究はヒトを対象とした研究であるため、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から、対象者の安全性を十分に考慮し研究を遂行する準備を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策としては、超音波エコーを用いて非侵襲的に中等度の持続運動実施に伴う腎血流量の変化を評価し、「運動時間」の観点から運動が腎血行動態に及ぼす影響を検討する。さらに、運動前後および回復期の血中および尿中バイオマーカーを測定することで、腎血流量調節を担うメカニズムおよび腎臓への負担度の解明に迫っていきたい。 また、新型コロナウイルス感染症については未だ収束の兆しはみえない状況であるが、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から安全性を十分に考慮した中で研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由として、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による影響によって研究施設への立ち入りが制限されたり、対象者のリクルートが困難な状況にあり、研究活動全般が停滞したことが挙げられる。 当該年度は新型コロナウイルス感染症の影響で研究を遂行できなかったため、翌年度は下記の予算で研究を遂行する。 対象者の運動負荷試験を行う際に心電図のモニタリング、呼気ガス、血中乳酸を連続して採取し分析を行うので、心電図用の電極と携帯型心拍測定装置、呼気ガス質量分析装置(現有)の校正用ガス、血中乳酸測定のための消耗品が必要となる。そのため、心電図用電極、呼気ガス校正用ガスならびに血中乳酸測定用試薬として490千円を計上する。本研究課題の成果は、然るべき国内学会や国際学会に発表するために必要な旅費として100千円を計上する。また、採血は常に医師や看護師のスキルが必要となり、測定ごとに実験補助として賃金を支払う必要があるため、研究補助員に支払う謝金として150千円を計上する。さらに、本研究の測定ではボランティアの公募をするため、被検者への謝金として150千円を計上する。その他に、腎機能に影響を及ぼす血中のバイオマーカーや尿中代謝産物の評価のための尿・血液分析委託費や国内外の学術雑誌に投稿するために必要な出版費を含め1110千円を計上する。
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