2020 Fiscal Year Research-status Report
踵腓靭帯に個人レベルの機能差は存在するのか?:解剖体を用いた機能解剖学的検討
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20K23307
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Research Institution | Fukuoka International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
吉塚 久記 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 講師 (00879942)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 踵腓靭帯 / 足関節外側靭帯 / 肉眼解剖学 / 機能解剖学 / 臨床解剖学 |
Outline of Annual Research Achievements |
最も一般的なスポーツ傷害である足関節外側靭帯損傷の中で、踵腓靭帯損傷の合併例は関節不安定性が残存する傾向にある。そのため、再建術や損傷予防の観点から、踵腓靭帯の形態と機能を正しく理解することは重要である。これまで肉眼解剖学の先行研究は、踵腓靭帯の走行角度・靭帯長・靭帯幅における多様性の存在を明らかにしている。特に、走行角度は腓骨長軸に対して0度から90度までのバリエーションが報告されており、このような形態的多様性は機能的個体差をもたらすと推察されているが、これまで実際の解剖体の関節運動を対象として踵腓靭帯の形態的多様性と機能的個体差の関係を検討した研究はない。本研究の目的は、解剖体と機能解剖学的な解析手法を用いて、多様な踵腓靭帯の形態が機能に及ぼす影響を明らかにすることである。 前年度は、試料の準備、計測機器の取扱い技術の習得、ならびに計測方法・計測条件・解析方法の検討を進めた。試料の準備は予定していた目標数に達しており、計測では標本固定用のオリジナルの治具を導入し、計測肢位と座標定義の方法をおおむね確立できた。解析方法については、前年度まで使用していたソフトウェアでは正確な解析を行うことに問題を生じることが判明し、専門業者に相談のうえ、本実験に最適なソフトウェアを導入した。これにより、物理的なターゲットマーカーを用意することなく、関節運動に伴う靭帯表面の形態的変化を直接的かつ正確に評価可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試料の準備、および計測・解析方法の検討をおおむね終えており、実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、準備済みの試料について速やかに計測を進め、研究成果を総括し、学会発表および論文作成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響を受けて、参加予定としていた複数の学会がWeb開催や中止となったため、次年度使用額が生じた。次年度の学会参加費や旅費に充当する予定としている。
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