2022 Fiscal Year Annual Research Report
既設同報スピーカを活用した低コストなスマートフォンの音響測位手法
Project/Area Number |
20K23313
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 将成 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (80878306)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 屋内測位 / 音響測位 / 識別 / 非可聴音 / トラッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、屋内の既設スピーカを利用した音響信号によるスマートフォンの内蔵マイクロフォンの測位手法の構築を目的としている。放送用の既設スピーカを音響信号の送信元として用いれば、従来は必要であった専用のスピーカの新設が不要となり、導入費用を低減することができる。 本研究課題では昨年度、市販の口径が大きな放送用スピーカにおいて、その周波数特性が方位毎に十分大きく異なっており、これを用いることで方向の推定が可能であることを明らかにした。このことは、既設スピーカを用いた測位方式において必須の前提条件と考えられていた「複数のスピーカ利用」を不要とする、重要な発見であると考える。これにより、当初方式では測位不能であった、小会議室のような既設スピーカが複数設置されていない環境でも測位が可能となる。 昨年度までは2次元測位を中心に検討してきたが、用途が限定されるため、仰角の推定を追加することで、3次元測位が可能な方式を構築した。具体的には、方向毎に周波数特性を計測しておき、これらを識別することで方位角・仰角の推定を行う。また、残響による測位性能の低下を避けるべく、信号の送信方式を刷新した。実環境での計測試験を通じ、90パーセンタイルでの誤差が0.48mとなる3次元測位が可能であることを確認した。またこの結果について解析したところ、方位・仰角の推定誤差は概ね数度ほどであり、距離の推定誤差が主な誤差要因であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)