2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K23316
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥戸 道子 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (90887564)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
Keywords | 多変量データ / 多変量解析 / 情報幾何 / ベイズ統計 / 微分幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
多変量解析の代表的な手法に主成分分析がある。主成分分析と関連がある統計モデルとして、多変量正規分布の分散共分散行列に固有値に関する仮定を置いたスパイク共分散モデルというモデルがある。スパイク共分散モデルでは、特に高次元の場合に、共分散行列の固有値を原点の方へ縮小して推定することが有効であると知られている。既存手法の多くは標本共分散行列の固有値を何らかの非線形関数を用いて0へ縮小する手法をとっている。一方、スパイク共分散モデルの幾何構造を観察すると、Fisher計量が共分散行列の固有値が大きくなる方向に向かって増大することがわかる。そこで、Bayes推定するにあたって、固有値が0に近い場所にJeffreys事前分布よりも大きな密度を置く縮小型の事前分布の使用が考えられる。本研究では、推定量を共分散行列の事後平均としたときに、Kullback-Leiblerリスクの意味で漸近的にJeffresy事前分布を優越するような固有値縮小型の事前分布を提案した。また、数値実験で既存研究の推定量と比較することで、サンプルが有限個の場合でもよい性能をもつことを示した。数値実験においてはフロベニウスノルムやスペクトルノルムで比較しても提案した推定量がよい性能を示した。この結果について論文を投稿中である。 また、別の重要な多変量解析の手法に因子分析があるが、因子分析モデルのBayes推定についてはモデルの持ついくつかの不変性に着目した手法を提案した。この結果について論文を執筆中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主成分分析と因子分析のBayes推定について有用な手法を構成できたので、おおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
主成分分析および因子分析について幾何構造を用いた手法を提案したので、今後は新たに別の統計モデルについて検討する予定である。因子分析モデルに関する結果についての論文執筆などのとりまとめも行う。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により学会が中止・延期されたりオンライン開催になったりしたため。翌年度は学会への参加や、新たな計算機の購入に使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)