2020 Fiscal Year Research-status Report
ベイズ流モデル平均化を応用した新規ベイズ流用量探索法の研究開発
Project/Area Number |
20K23318
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 宏征 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (70793595)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 用量探索デザイン / がん臨床試験 / 分子標的薬 / ベイズ統計学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,がん分子標的薬の最適用量を探索するための新たなベイズ流用量探索法を開発することである.がん分子標的薬は,用量の増加に伴って有効性が単調に増加しない可能性があるため,最適用量を特定するためには,用量-有効性関係を考慮して用量探索を行う必要がある.統計モデルを用いて用量-有効性関係を考慮した用量探索法はいくつか提案されているが,薬剤開発の初期に実施される用量探索試験では用量-有効性関係に関する情報が乏しく,症例数も限られているため,統計モデル選択の不確実性が課題として挙げられる. このような背景のもと,本年度は,change-point modelと呼ばれる統計モデルを用いてがん分子標的薬の用量-有効性関係を考慮した既存の用量探索法 (Sato, Hirakawa, and Hamada, Statistics in Medicine 2016) を基に,ベイズ流モデル平均化の枠組みを導入することにより,統計モデル選択の不確実性を考慮した新たなベイズ流用量探索法 (提案法) を開発した.がん用量探索試験は小規模であり,候補となる統計モデルの数が多い場合に統計モデル選択の不確実性が増加することが懸念される.そのため,提案法の用量探索アルゴリズムには,試験途中で得られた有効性及び毒性に関するデータに基づき,候補となる統計モデルを絞り込む手順を組み込んでいる.提案法の性能を評価するため,様々な用量-有効性関係を仮定したシミュレーション実験により,既存のがん分子標的薬の用量探索法との性能比較を行い,現在,論文にまとめている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小標本下で統計モデル選択の不確実性を考慮できるベイズ流モデル平均化を応用した新たながん分子標的薬のベイズ流用量探索法を開発し,現在,論文を執筆中であり,おおむね計画どおりに進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
特定の遺伝子変異を標的とする分子標的薬の開発においては,遺伝子タイプが同じ複数のがん種を対象としてがん種横断的に薬剤の有効性を評価するバスケット試験が増加しており,このような試験への提案法の応用可能性について検討を進める.
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Causes of Carryover |
現在実施中の研究の成果発表及び計画中の研究に必要となる資金を確保するため,次年度に繰り越すこととした. 当該資金については,研究成果発表(学会発表や論文投稿費用等)や計画中の研究の実施に係る通信費,消耗品等に使用する予定である.
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