2022 Fiscal Year Annual Research Report
外科手術手技の定量化・客観的評価による効率的習熟支援システムの開発
Project/Area Number |
20K23349
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山口 智子 神戸大学, 未来医工学研究開発センター, 特命講師 (40879970)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 手術手技定量化 / 手術工程解析 / 習熟支援 / 手術支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
外科手術領域における技能伝承は熟練医による口頭伝達等の感覚的な指導に依存しており、熟練医の負担が大きく、客観的に伝達できないことが課題である。そこで本研究では客観性のある手術手技習熟支援を目指した。 2022年度は、(1)内視鏡下副鼻腔手術における時系列的な熟練医の手技モデルを構築し、それと比較することで若手医師の手技課題を自動で特定するシステムを構築・妥当性評価を行った。(2)脳神経外科手術において脳腫瘍摘出術を対象に、手術室内の機器から得られる情報(手術ナビゲーションシステムより得られる術具位置情報、術中MRI画像情報、手術顕微鏡映像、術中神経モニタ情報など)を用いて、熟練か非熟練かを特等づけるような指標の構築を検討した。(4)脳神経外科手術の脳腫瘍摘出術において、手術ナビゲーションシステムの術具位置情報と術中神経モニタ情報を時間同期した上で組み合わせ、術後麻痺に影響する可能性のある処置位置をわかりやすく術中MRI画像上にマッピングするシステムを構築し、評価を行なった。今年度得られた研究成果は国際学会(CARS2022)にて発表し、海外雑誌へ2本投稿・アクセプトされた。 本研究期間における成果としては、内視鏡下副鼻腔手術の手技課題自動抽出システムの構築、脳腫瘍摘出術における熟練度の違いを特徴づける指標の検討、脳腫瘍摘出術における術後麻痺リスクマッピングシステムの構築を行なった。本研究成果により、これまで暗黙知として扱われていた外科手術手技の定量化が可能なことが示唆され、手技習熟支援及び術者の意思決定支援等に有用であることが期待できる。
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Research Products
(3 results)