2022 Fiscal Year Research-status Report
The Construction of the History of Worship in Vessel around Northwest China: A New Study of Religious Objects through Art History and Archaeology
Project/Area Number |
20KK0001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長岡 龍作 東北大学, 文学研究科, 教授 (70189108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 雅彦 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 主任研究員 (50470282)
大島 幸代 大正大学, 文学部, 専任講師 (60585694)
加島 勝 大正大学, 文学部, 特任教授 (80214295)
岡林 孝作 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 副所長 (80250380)
泉 武夫 東北大学, 文学研究科, 名誉教授 (40168274)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 舎利信仰 / 器 / 舎利容器 / 奉献容器 / 仏塔 / サンチー / ソナリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は宗教的な「器」を、北インドから西域を通り中国中原に至る地域において、1)器形と内容物、2)器の装飾形象、3)用途と納置法の三点から調査研究し、Ⅰ.かたちは各地域の習俗・信仰をどのように反映しているか、Ⅱ.分布と偏差にはどのような意味があるかを明らかにしようとするものである。 第3年度にあたる2022年度は、ヨーロッパにおける関連調査をおこなった。調査先は、リートベルク美術館(スイス・チューリッヒ)、バウアー財団美術館(ジュネーヴ)、大英博物館・ヴィクトリア&アルバート美術館(ロンドン)、アシュモリアン美術館(オックスフォード)である。リートベルク美術館では唐代棺型舎利容器、バウワーファンデーション美術館では十二世紀中国の木造菩薩坐像、平安時代二十八部衆像、アシュモリアン美術館では十二世紀中国の木造菩薩倚像、ヴィクトリア&アルバート美術館、大英博物館(ロンドン)では、インドサンチー・ソナリ・サッダーラ・ボジプール出土の舎利容器をそれぞれ調査した。 ロンドンの二美術館における調査では、舎利と奉献品をひとつの容器に納める際に構想されていた原理的な方法にひとつの見通しを得られた。すなわち、容器内の内容物は、舎利と奉献品では位置する場所が違うという見通しである。この見通しに基づくと、舎利容器と奉献容器が分離するという次の段階を想定することが可能になる。この観点を得られたことは本研究にとり、極めて有益な成果となった。 一方で、今年度に予定していた中国国内での現地調査は、新型コロナウィルスによる渡航制限が続いたためおこなえなかった。これに関しては次年度に後ろ倒しする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、ヨーロッパにおける関連調査が実現したことにより、研究の大きな進展を得られた。一方、中国においては、新型コロナウィルスによる制限が続き、渡航が原則不可能な状況であったため、中国側共同研究者との打ち合わせならびに共同調査をおこなうことができなかった。状況のさらなる改善が見込まれる今年度は、ヨーロッパでの関連調査を継続するとともに、後ろ倒した中国国内での調査を可能な範囲で遂行していく計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
国際共同研究である本研究は、中国現地での活動ならびに国外での関連調査を活動の根幹にしている。そのため、本研究を開始して以来続いていた国際的なコロナ禍の状況は、研究遂行上に致命的な影響を及ぼしてきた。しかしながら、2023年4月現在、中国も含めた各国への渡航状況は大きく改善しているため、当初の計画を柔軟に再構成し、可能な場所から現地調査を遂行することができるようになった。2023年度は、まずはヨーロッパでの調査をおこなうとともに、中国新疆ウイグル自治区地域での調査が可能になった段階で現地調査をおこなう計画である。また、西北大学担当者との協議も調査地でおこなう予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度は、中国以外の地域での調査が可能になったため、ヨーロッパでの現地調査をおこなうことができた。一方で、中国への渡航が困難な状況は継続し、また中国からの出国も制限されていたため、中国側共同研究者との協議をおこなうことができなかった。国際共同研究である本研究は、中国現地での活動ならびに国外での関連調査を活動の根幹にしている。2022年度は、中国国外での関連調査がおこなえる段階となったが、中国国内での調査は実現し得ていない。中国での調査活動分の研究資金は繰り越し、可能となった段階で使用していく計画である。2023年度は、まだ実現していない西北大学との打ち合わせと、当初の計画にあった中国国外・国内における現地調査をあわせて遂行する。
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Research Products
(12 results)