2020 Fiscal Year Research-status Report
タジキスタンのゾロアスター教・仏教に関する総合的研究:遺跡と写本
Project/Area Number |
20KK0004
|
Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
青木 健 静岡文化芸術大学, 文化・芸術研究センター, 教授 (50745362)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 洋一 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部, 部長 (10250383)
井上 貴恵 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (70845255)
大西 貴夫 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 指導研究員 (80260371)
|
Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
|
Keywords | タジキスタン / ゾロアスター教 / 仏教 / シルクロード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、タジキスタンの遺跡と写本図書館を実地調査し、ゾロアスター教と仏教の融合の状況を探ることを目的としていた。前者については、現地のゾロアスター教遺跡・仏教遺跡を実見しないことには、必要とするデータを得られない。後者についても、現地の写本図書館を訪問しないことには、ペルシア語写本へのアクセスが出来ず、それらを入手・解読する目処は立たない。 2020年3月以降のCovid-19の国際的流行の中でも、我々は楽観していた。タジキスタンでの感染者情報は、いつになってもゼロのままだったからである。しかし、周辺諸国は次々に国境を閉鎖し、遂にタジキスタンまで国境を閉鎖した。感染者ゼロの情報は、感染者がいないことを意味した訳ではなく、検査が進んでいないことを意味しただけだったようである。 このような状況下、我々は日本国内で可能な研究を進める方向にシフトせざるを得なかったが、日本国内でのタジキスタン情報の蓄積は乏しく、研究に着手することは不可能だった。せめてもの進展は、2020年10月に、駐日タジキスタン大使ジャラーロフ氏にお目に掛かり、今後の研究に関する協力体制を構築したことだけである。これによって、今後、タジキスタン国内の諸大学と研究代表者の本務校との協定締結の可能性が拓かれ、次世代につながる研究基盤の構築が可能になった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19の世界的流行の中でも、タジキスタンは国境閉鎖が比較的遅かった為、我々は最後まで現地での調査に望みを繋いでいた。しかし、最終的にはタジキスタンも国境を閉鎖し、また相次いで日本からの出国も不可能になった為、不可抗力によって研究を進める方途を失った。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年4月現在、ワクチン接種が急ピッチで進み、世界の平常化も視野に入ってきている。タジキスタンにおけるワクチン接種状況の情報は、なかなか蒐集が難しいが、現地協力者の情報では、既にマスクを着用しない形での外出が一般的なようである。我々は、日本国内で可能な研究から着手する方向も探ったが、それによって得られる成果は僅少と予想される点に鑑みて、あくまで2021年度中にタジキスタンでの海外調査が可能になる方に賭けることにした。
|
Causes of Carryover |
Covid-19の国際的流行により、タジキスタンでの現地調査の計画は全面的にストップした。また、日本国内でのタジキスタンに関する学術情報の蓄積は乏しく、現状では研究を進展させる方策がなかった。このような理由によって、全額を繰り越さざるを得ず、次年度使用額が生じた。
|