2022 Fiscal Year Research-status Report
タジキスタンのゾロアスター教・仏教に関する総合的研究:遺跡と写本
Project/Area Number |
20KK0004
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
青木 健 静岡文化芸術大学, 文化・芸術研究センター, 教授 (50745362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 洋一 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部, 部長 (10250383)
井上 貴恵 明治大学, 文学部, 専任講師 (70845255)
大西 貴夫 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 課長 (80260371)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | ゾロアスター教 / パミール / タジキスタン |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、他の科研費によるコロナ後の海外出張が重なった為に、本科研費によるタジキスタン訪問は実現していない。しかし、現地の研究者と緊密に連絡を取ることによって、研究の焦点はかなり絞れてきた。その成果は、下記の通りである。 ①中央アジアにおけるゾロアスター教神殿の立地条件に関する検討。アム・ダリヤ河、シル・ダリヤ河の河川管理の重要ポイントに、重要なゾロアスター教神殿が立地していると判明した。 ②パミール高原におけるハオマの検討。ゾロアスター教の儀式の際に使用する薬草ハオマは、これまで正体が不明だった。しかし、タジキスタン・アカデミーでパミール高原の植物活用史を研究するキャミーラ・マジュルーノヴァ女史の協力により、ハオマをパミール高原の植物に同定する可能性がでてきた。 ③中央アジアの研究機関との協力の可能性。ウズベキスタン・サマルカンドの国際中央アジア研究所の所長ドミトリー・ヴォヤキン教授との会談により、当該研究所が中央アジアにおけるゾロアスター教遺跡の網羅的なマッピングを計画していると判明した。しかし、この計画からは、パミール高原が除かれている。このヴォヤキン教授の研究との協力関係の構築も、今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍によって停滞していた前科研費の課題を処理するのに忙しく、本科研費による海外出張を2023年度に延期せざるを得なかった為。
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Strategy for Future Research Activity |
早期にタジキスタン、特にパミール高原を訪問し、現地のゾロアスター教神殿や植物相を調査する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で2022年度以前の科研費の執行状況が押しており、本科研費による2022年度のタジキスタン調査は不可能だったため、繰り越すことになった。
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