2020 Fiscal Year Research-status Report
現代インドにおける地域間システムと地方都市圏の「包摂的成長」
Project/Area Number |
20KK0016
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
後藤 拓也 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (00452798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友澤 和夫 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (40227640)
笛吹 理絵 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 助教 (50850153)
田中 健作 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 講師 (20636469)
勝又 悠太朗 広島大学, 現代インド研究センター, 特任助教 (80896134)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 人口移動 / ウッタル・プラデーシュ州 / センサスデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては、インドにおける州間・州内の人口移動パターンの空間的特徴を明らかにするべく、本研究の調査対象地域であるウッタル・プラデーシュ州における人口移動の特徴を明らかにした。その研究方法としては、インド政府が刊行する最新版の2011年版センサスデータを用いた分析を行った。具体的には、2011年のセンサスデータをもとに、ウッタル・プラデーシュ州における最近5年間の州間人口移動にみられる地域的特徴を明らかにした。ウッタル・プラデーシュ州における人口移動の大きな特徴は、流出人口が流入人口を大きく上回る圧倒的な「流出超過」を示す点であり、これはインド有数の「出稼ぎ労働者供給地域」である当州の特徴をよくあらわしている。そこで、ウッタル・プラデーシュ州からの流出移動を詳細に分析した結果、ウッタル・プラデーシュ州からの人口移動先は、マハーラーシュトラ州を筆頭に、デリー・ハリヤーナー州・グジャラート州など、経済発展の著しいインド西部や首都圏の一帯におよぶ地域が大きな比率を占めることが明らかとなった。ウッタル・プラデーシュ州からの人口移動は、従前はウエスト・ベンガル州を始めとするインド東部の都市圏に向けた出稼ぎ移動が大きな比重をしめていたが、2000年代の経済成長にともなって、マハーラーシュトラ州(ムンバイ都市圏)やデリー首都圏といった地域への出稼ぎ移動にシフトするようになったと考えることができる。このようにウッタル・プラデーシュ州を事例とした人口移動分析からは、その人口移動の空間的特徴が、インドの経済発展の地域的パターンに大きく影響されている実態を示すことができたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の進捗状況については、もともと研究期間の前半(2020年度および2021年度)において上述のようなセンサスデータを用いた統計的分析を主に実施する計画であったため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の推進方策については、以下の通りである。まず、本研究を遂行する上で、研究計画を修正せざるを得ない事態が生じたため、それに対する研究計画の見直しと変更を2021年度に行う必要がある。具体的には、本研究のインド側の研究協力者が、2021年4月に病気のため逝去された。本研究では、ウッタル・プラデーシュ州において農村調査を実施する予定であったが、その研究協力者の方には現地コーディネーター(現地集落組織との折衝、通訳の提供など)を務めて頂くことになっていた。すなわち、現在の状況を考えると、これまで計画していたウッタル・プラデーシュ州での現地調査計画を大幅に見直す必要があり、それを2021年度に進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、2020年より世界的にコロナウイルス感染の拡大が継続しているため、インドでの研究打ち合わせや現地調査が困難になったことに起因している。この点に関しては、コロナウイルス感染の収束について見通しが立たないため、その問題が収束し次第、すみやかにインドにおける研究打ち合わせや現地調査を実施し、今回生じた繰り越し金額を使用する計画である。
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Research Products
(8 results)