2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the impacts of Rohingya refugee influx on host communities' livelihood and environment: An interdisciplinary investigation
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20KK0035
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
樋口 裕城 上智大学, 経済学部, 准教授 (60757269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 健太 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30633474)
高橋 遼 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (40748349)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 開発経済学 / ロヒンギャ難民 / バングラデシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年8月からのミャンマー政府による掃討作戦を契機として、ロヒンギャとよばれるイスラム教徒の少数民族が、隣国バングラデシュに難民として大量流入した。同国でもとりわけ貧しい地域への難民流入により、地域の社会経済と環境は大きな影響を受けた。しかしながら、難民と比較すると受入国住民に対しては、国際的な支援ならびに関心ともに低い現状である。本研究では、日本人経済学者とバングラデシュ人環境科学者が共同することで、難民流入による影響を包括的に定量評価する。具体的には、対面インタビューと携帯電話を用いた家計調査によりパネルデータを構築し、家計の社会経済面への影響を分析する。また、家計調査に実験室実験を組み込むことで、住民感情への影響の定量化を試みる。さらに、リモートセンシング・GISデータと、土壌・植生・水質に関する自然科学的データを組み合わせて、地域の環境面への影響を測定する。本研究から得られる知見は、難民流入により影響を受けた受入国住民への補償や、難民との融和のための政策立案に資することが期待される。本年度は、受入国住民1800家計(15家計×120村)を対象として、質問票とラボ実験を用いてのデータ収集を行った。当初は、研究代表者と分担者が渡航して調査の準備を行った上で、データ収集を実施する予定であったが、コロナのために渡航は不可能と判断した。オンラインで現地の研究協力者と密に連携し、調査の予定をやや遅らせた上で、調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため調査の開始が予定よりも後ろ倒しになったが、現地の研究協力者とオンラインで密にコミュニケーションをとることで、大きなトラブルなく、データ収集を完了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したデータの分析を進めて学術論文の執筆を行い、国際ジャーナルへの掲載を目指す。また、同地域において、別の調査を実施してデータ収集を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により家計調査によるデータ収集の開始が後ろ倒しになったため、衛星画像の解析の作業を次年度に後ろ倒すことになった。この解析作業のために、次年度使用額を用いる。
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