2020 Fiscal Year Research-status Report
International collaborative experiment to investigate toroidal flowing plasma frozen in canonical flux tube
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20KK0063
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
比村 治彦 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 教授 (30311632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三瓶 明希夫 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 准教授 (90379066)
武村 勇輝 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (60705606)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2023-03-31
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Keywords | 正準フラックスチューブ / マッハプローブ / トロイダルプラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマ物理で広く知られているプラズマの流体的取り扱い方法に、1流体プラズマ(MHD)モデルがある。抵抗のない理想MHDでは、プラズマは静的であり、そして、磁束管に凍結するとされている。しかし、核融合プラズマや宇宙プラズマ研究でプラズマ中に一定方向へと流れるプラズマ流が発見されるなど、静的ではない動的なプラズマが存在している。このような動的なプラズマをモデル化するために、先進プラズマ物理学ではMHDモデルを拡張した拡張MHDモデルが考えられてきている。拡張MHDでは、抵抗のない動的なプラズマは磁束管ではなく、正準フラックスチューブ(CFT)に凍結すると予測されている。しかし、これをトーラスプラズマで検証した実験はない。 この予測を国際共同実験で検証するために、今年度、CFTを検出するための新しいプローブを、米国ウィスコンシン大学(UW)をハブ組織として開発している。多面体をしたプロトタイププローブは、現在、UWのMST装置にインストールされている。京都工繊大側では、複合型プローブの設計を完了した。同時に、複合型プローブ測定に必要な周波数帯域が1MHzのアイソレーションアンプのプロトタイプも試作した。この新型プローブを京都工繊大のRELAX装置に挿入するために必要なプローブ導入機や信号取り出し用の真空部品の製作も進めている。RELAX装置で形成されるRFPトーラスプラズマ中での速度場計測の予備実験も実施した所、速度場が存在することを示しているデータを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 八面体型をしたマッハプローブは、日米独のオンラインミーティングで議論されながらプロトタイプが試作された。これは、米国UWで製作されたので、UWのMSTでの実験に用いられる。 (2) 四面体型をしたマッハプローブを含む複合型プローブは、日本側独自で設計を終了し、現在米国側共同研究者によって確認されている。 (3) プローブ測定に不可欠なアイソレーションアンプについては、1.3 MHzまでフラット特性を持つアンプのデモ機の製作に成功した。この周波数特性は、市販されているアイソレーションアンプの周波数特性を大幅に上回っている。これは論文として投稿する予定である。 (4) CNTへの凍結検証実験に必要なRELAX装置の改造も、核融合科学研究所のサポートを得ながら概ね予定通り進展している。 (5) 当初予定では、2020年度末にUWに出張してMSTで実験を行う事としていた。しかし、米国への渡航が禁止されているため、先方での実験は実施できていない。このため、リモートで実験に参加する環境整備を行っている。また、当初研究計画を変更して、RELAX装置でのCNT凍結検証実験を先に実施して、その後にMST装置で同様の実験を行う研究計画に変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナによる米国への渡航制限が解除されないので、この国際共同研究は、以下の通りCNTへの凍結検証実験を京都工繊大のRELAXで先に実施するスケジュールに変更する。 (1) 2021年度第一四半期に、四面体型の複合型マッハプローブの試作品を日本で製作する。その試作プローブを京都工繊大のRELAX装置にインストールして、電場、イオン速度場、イオン渦度のデータを得ることができるか確認する。複合型新マッハプローブの試作に必要な期間は2ヶ月、予備実験は最短3日である。複合型新マッハプローブの日本での試作のために、MSTグループのアルマグリ博士他との月2回オンラインミーティングを継続する。日本での予備実験が成功すれば、2021年第二四半期に複合型新マッハプローブをもう1セット製作する。 (2) RELAX装置での検出実験のために必要な計測器系、データ収集系、プラズマ生成装置の整備については、2021年度の第三四半期までにすべてを完了するように進める。 (3) 複合型新プローブを米国MSTに持参して、MST装置内にインストールしての実験は、2021年度第四四半期と想定する。マシンタイムは2週間、その前後2週間を現地での準備と整理にあてる。その第一回目の実験結果を見て、不具合を修正し、2022年度に同様のスケジュールで本実験を行う。2022年度に、京都工繊大のRELAX装置での結果と、MST装置での結果を比較する。その結果からランキスト数依存性を調べ、計算と理論を合わせて、全体を統合する。
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Causes of Carryover |
米国への渡航他が禁止されているため、2021年1-3月に予定したウィスコンシン大学MST装置での実験を実施できていない。このための渡航費と、先方でのプローブ製作費が未執行となった。研究計画を変更して、京都工芸繊維大学に設置されているRELAX装置でのCNTへの凍結検証実験を前倒しする。その後に、MST装置での実験を実施する順番とする。
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Research Products
(9 results)