2021 Fiscal Year Research-status Report
International collaborative research for the origin of matter mass at GSI
Project/Area Number |
20KK0070
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
板橋 健太 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (30322093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 宏之 東京工業大学, 理学院, 准教授 (30513395)
田中 良樹 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (00868440)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Keywords | ハドロン / η′ / 軸性U(1)対称性 / カイラル対称性 / 分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツ重イオン研究所(GSI)にて本研究の主要な目的であるS490実験を2022/2月に実施した。研究代表者は実験代表者として現地において全体を統括した。研究分担者と研究協力者は現地に長期滞在して、現地研究者と共同して大型検出器の開発、設置、運用を行った。準備段階では、本科研費によりCsIカロリーメータの読み出し系であるFEBEX3システムを準備し、読み出し、解析・モニターソフトウエアの開発を行った。2021/春から冬にかけて、検出器、支持構造、ソレノイド、ヘリウムガス回収配管、回路等の実験現場へのインストールと調整を行った。 2021/11月から、磁場 1 T 環境でのストローチューブ検出器、プラスチックシンチレータバレル検出器、CsI カロリーメータ、ファイバー検出器等からなる、検出器システム、読み出しシステム、解析モニターシステムの総合的なデバッグ、性能評価、調整を行い良好な結果をえた。2022/1月には、実際に高強度陽子ビームを用いた検出器コミッショニングを実施し、検出器のパラメータ設定、読み出し、解析・モニターソフトウエア等の準備を完了した。 2022/2 月、約一週間、陽子ビームを用い 12C(p,dp) 反応による準排他的測定による本実験を行った。加速器やソレノイド冷却系の問題、ヘリウムガスの入手困難などの問題があったものの、検出器群は概ね順調に動作し、最終的にプロポーザルの見積もりに対して 106% の統計量という、高品質・高統計のデータ取得に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で多くの実験が延期されるなか、いち早く準備が完了したため、前倒ししてビームタイムを実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
実験データの解析を行い、η′核の分光をめざす。 次期実験に向けた議論、準備を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響と、実験実施時期が前倒しになった関係で、現地滞在費の一部が次年度以降に振り向けらるため。
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