2022 Fiscal Year Annual Research Report
Strain-Controlled Graphene-Nanoribbon-Base Biochemical Sensors with High Selectivity and Sensitivity
Project/Area Number |
20KK0083
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 研 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40396461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAVEY THERESA 東北大学, 工学研究科, 特任助教 (10816987)
陳 迎 東北大学, 工学研究科, 教授 (40372403)
三浦 英生 東北大学, 工学研究科, 教授 (90361112)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2023-03-31
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Keywords | グラフェン / ひずみ制御 / ガスセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
フレキシブル基板を用いたグラフェンガスセンサを試作し,感度評価ならびにひずみ制御の有効性を検証した.センサ構造は,単層グラフェンシートをPDMSやポリイミド基板に転写し,酸素プラズマを用いてパターニングを行いセンシング部を形成した.試作サンプルを密閉チャンバ内の電動ステージ上に設置し,一軸及び曲げひずみを負荷しながらガス雰囲気における電流-電圧特性を評価した. PDMS上に作製したセンサに対して,呼気による抵抗値変化を測定しセンサ感度の評価を行った.室温および大気中で10%および20%の引張ひずみを与えたサンプルの抵抗値をそれぞれ初期抵抗値とし,呼気による抵抗値の変化量からセンサ感度を評価したところ,無ひずみサンプルでは呼気により抵抗値が5%増加したのに対し,引張ひずみを20%負荷したサンプルでは抵抗値が10%増加し,感度が2倍程度向上することが確認された. 一方,ポリイミド基板上に作製したセンサに対して曲げ変形による圧縮ひずみ約2%を負荷し,1ppmの二酸化窒素ガス中で電流-電圧特性を評価したところ,圧縮ひずみを負荷したサンプルのセンサ感度は無ひずみ状態に比べて約6倍向上することを確認した.過去の第一原理解析により,グラフェンに引張ひずみを負荷すると水分子の吸着エネルギーが増加し,圧縮ひずみ負荷により二酸化窒素分子の吸着エネルギーが増加することが示されていることから,ひずみ負荷によるセンサ感度向上は,ガス分子の吸着状態安定化による吸着量の増加によるものと考えられる. このようにグラフェンガスセンの試作と評価を実施し,ひずみ負荷によりグラフェンのガス吸着能力を制御し,センサ感度の向上が可能であることを実証した.また,ひずみ負荷環境におけるセンサの応答特性がガス種によって異なることが示されたことから,ひずみ感度のガス種依存性を利用した選択性向上技術の確立が期待できる.
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