2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishing a creep life prediction methodology for heat-resistant structures at high temperatures
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20KK0084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴沼 一樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30611826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横堀 壽光 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00124636)
尾関 郷 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10781528)
田淵 正明 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, グループリーダー (60354239)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2023-03-31
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Keywords | クリープ / マルチスケールモデル / 破壊力学 / 損傷力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に開発した「粒界上の直応力平衡理論」に基づく粒界上におけるボイド生成・成長モデルは、従来のモデルに習い、その形状として粒界を挟み2個の球帽を重ねた形状を仮定していた。しかしながら、それによって得られた時間に対するボイド成長曲線は上に凸となり、時間の経過とともにボイド成長が鈍化してしまうという結果となった。さらに、実現象ではボイドは結晶粒界に沿って扁平に成長し、亀裂化することが知られているが、モデルによる計算結果では粒界と垂直方向に大きく成長してしまい、実現象との間に非常に大きな差異が生じてしまうことが明らかとなった。 そこで、従来の「2個の球帽を重ねた形状」に対し、ボイド形状を記述するための自由度を追加し、「2個の回転楕円体の一部を重ねた形状」へと修正し、その短軸方向(粒界垂直方向)と長軸方向(粒界方向)とのボイド成長量を、表面エネルギー-粒界エネルギー比と楕円体の曲率から算出される化学ポテンシャルの勾配によって評価するアルゴリズムを構築した。このモデル修正の結果、各粒界におけるボイド成長曲線は実現象と非常に良い一致を示し、従来のモデルにおける課題の解決に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来の理論に立脚したボイド成長モデルに関する課題を明確化し、それを解消する方法の提案・実装に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発してきた「クリープ変形モデル」と「ボイド生成・成長モデル」を組み込み、構造スケールの材料応答を再現するための有限要素法との連成を行う。 さらに、モデルの妥当性を実証するための実験的な検討を進める。具体的には、理想的な純ニッケル単相の多結晶材料に対し、標準的なクリープ試験および粒界変形の時刻歴変化を取得するためのその場観察を行う。
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Causes of Carryover |
当初研究計画では、国際共同研究の枠組みで英国での滞在を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、このような短期滞在は不可能となったため、次年度への繰越しをする必要が生じた。
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