2021 Fiscal Year Research-status Report
Development and application of innovative monitoring technologies of microorganisms: Challenge to eradication of waterborne infectious diseases in Asia
Project/Area Number |
20KK0090
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 久 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80326636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 伸吾 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60343018)
山村 寛 中央大学, 理工学部, 教授 (40515334)
丁 青 中央大学, 理工学部, 助教 (70837476)
中屋 佑紀 北海道大学, 工学研究院, 助教 (60868735)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 簡易測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マイクロプレートリーダーを用いた簡易微生物測定法を開発した。測定手順は以下の通りである。市販の一般細菌用培地にサンプル水180μLを添加した。これを6ウェルマイクロプレートの各ウェルに添加した。マイクロプレートを37℃に設定したマイクロプレートリーダーにセットし、10分毎にウェルの波長630nmの吸光度を分析しながら24時間培養した。 一般細菌数の異なる2つのサンプルをn=5でマイクロプレートリーダーにより吸光度の経時変化を測定した。一般細菌数77 CFU/mLのサンプルでは、大体10から20時間で対数増殖によるサンプルの濁りが開始した。これに対し、15 CFU/mLのサンプルでは、10から40時間で対数増殖が見られた。n=5のとき、サンプル量は合わせて900 μLであり、平均すると1ウェルに入っている細菌数は2から3個である。必ずしも均等にウェルに入っているとは限らないため、0または1個しか細菌が存在しないウェルが生じると考えられる。これにより、細菌濃度が低いサンプルでは誤差が大きくなると考えられる。そこで、0から5時間で対数増殖が見られたら10点、5から10時間で対数増殖が見られたら9点という様にデータをスコア化し、細菌数と比較した。1~100CFU/mLにおいて、スコアと細菌数との間に相関関係が見られた。公定法では陰性であったにもかかわらず、本法で陽性だったサンプルも存在した。これは寒天培地上ではコロニーを作らないが、液体培地中では増殖する細菌種がいることが理由と考えられる。すなわち本法では、公定法では見落とす飲料水の細菌汚染をも検出できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、簡易細菌測定法を開発できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、研究を本格的に開始する。蛍光プローブを用いた大腸菌の分析サイトを増やす。地下水の分析も行う。若手研究者のネットワーク強化のため、代表者と若手研修者は渡航回数を増やす。日本で開発した微生物モニタリング技術を各国の若手研究者や大学院生に伝承する。引き続きオンラインで打ち合わせを行う。クリプトスポリジウム、クロストリジウム、カンピロバクター、コレラのDNAアプタマーの開発に着手する。並行してDNAプローブを用いたこれら5種の病原菌の検出を行い、すべての開発を終了する。分子生物学的手法を用いて飲料水中の微生物を網羅的に分析する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で海外渡航ができなかったため、海外渡航費を次年度研究費として残した。
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Research Products
(10 results)