2021 Fiscal Year Research-status Report
Joint Japan U.S. development of real-time monitoring for megathrust earthquakes by using AUV
Project/Area Number |
20KK0097
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
有吉 慶介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), グループリーダー (20436075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 憲 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 主任研究員 (40421888)
麻生 達也 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 研究プラットフォーム運用開発部門, 技術主事 (30900310)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Keywords | 海溝型巨大地震 / 海洋観測 / 黒潮・親潮 |
Outline of Annual Research Achievements |
有吉・永野は、海底圧力変化に対する海洋擾乱成分を定量的に評価するため、ウェーブグライダーに防水加工を施した湿度計および塩分・温度計(CTDセンサー)を搭載することにより、海面付近での熱フラックスの計測試験を東北沖の航海で行った。その結果、海面付近における湿度の洋上観測に成功した。 麻生は、海洋研究開発機構が独自に開発を進めている、次世代無人探査船(AUV-NEXT)の試験航海を南海トラフ沿いで行い、詳細な海底地形のデータ取得および海中での転送試験に成功した。 研究のアウトプットとして、1つには、十勝・釧路沖の海底ケーブル式観測の先端に設置された流速計データ解析による海洋深層循環の長期変化について主成分分析を行い、第一モードとして海溝に沿った流れが生じていることを確認した。もう1つは、南海トラフ沿いにある海底観測網(DONET)の海底圧力計・温度計・地震計を用いて、遠地地震に励起された乱泥流の検知について、米国地質調査所との共同研究として行った。結果として、2016年三重県沖地震や熊本地震では、海水の鉛直攪乱が生じ、熊野海盆における温度上昇・圧力変化が0.1℃、数hPa程度であることを見出した。 これらの成果の一部は、永野が中心となって開催している黒潮の国際プロジェクトCSK-2のサイエンスアクションプランとして盛り込み、今後の海洋観測の議論として協議を行った。 学会発表として、米国地球物理学連合秋季大会(AGU-Fall Meeting)にオンラインで参加発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染状況が続いているため、渡米・来日を通じた対面での意見交換は断念し、オンラインおよび電子メール上での議論を行った。その結果、査読付き国際学術誌2編が掲載され、そのうち1編は国際共著となるなど、国際共同研究が順調に進んでいると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年6月に開催されるAOGS(アジア・オセアニア地球科学連合大会)では、永野が代表コンビーナーとして開催するGlobal Western Boundary Currents: Their Physical, Chemical, and Biological Impacts on Climate and Ecosystemsのセッションで発表する。 2022年秋には、天然資源の開発利用に関する日米会議 (UJNR) 地震調査専門部会委員として渡米し、Gombergらと研究議論を行う予定である。 さらに、テキサス大学から共同研究の申し入れを受けているため、孔内観測計画およびデータ解析について議論を進める予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染状況がつづいたため、渡航を断念したため、旅費等が未使用となった。次年度の渡航費用に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)