2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of planning methodology for healthy cities and its application to cities in a growing country facing two serious warming issues
Project/Area Number |
20KK0098
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯塚 悟 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40356407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玄 英麗 東京工芸大学, 工学部, 助教 (20770564)
久保田 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 教授 (80549741)
村山 顕人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60396760)
高取 千佳 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (10736078)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 温暖化 / 暑熱環境予測 / 都市計画 / 健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
厳しい暑熱環境下において住民の健康被害を極力防ぎ、健康的な暮らしを営むためには、適度の空調(冷房)導入・使用が欠かせない。本研究で対象とするインドネシア・ジャカルタは、熱帯モンスーン気候区分に属し、高温多湿環境であるが、現状の冷房普及率は低い。しかし、今後の経済成長や、地球温暖化と都市ヒートアイランドのさらなる進行を踏まえると、将来的には急速な冷房普及が予想される。一方、冷房が普及するほど、屋外に放出される人工排熱量が増加することになり、特に、ジャカルタを始めとするインドネシア諸都市では、冷房設定温度を21℃前後の低い温度とすることが多いため、より多くの人工排熱が放出されることになり、それに伴い、都市温熱環境の悪化が懸念される。 本研究ではこれまで、ジャカルタを対象として、冷房普及に伴う人工排熱量の増加が都市温熱環境に及ぼす影響について、領域気象モデルWRF(Weather Research and Forecasting)を用いて定量的に評価してきた。その際、冷房普及率の変化に加えて、将来的に想定される人口増加分を収容するための建物形態の変化などを考慮して検討を行った。2023年度はさらに、背景気候や将来気候の温室効果ガス排出シナリオ(RCP2.6 → RCP8.5)、冷房設定温度(21℃ → 26℃)、空調システム(全建物に対して空冷式 → 住宅は空冷式+非住宅建物は水冷式)を段階的に変化させた検討を実施した。対象都市の温熱環境(気温上昇への寄与)に対しては、背景気候や温室効果ガス排出シナリオ、冷房普及率の影響が大きく、それらに比べると、冷房設定温度や空調システムの影響は十分小さいものであった。
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