2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of in silico model for health impact assessment of Asbestos emitted from building materials
Project/Area Number |
20KK0099
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 一秀 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (20329220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 城準 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (30783394)
牟田 諒太 九州大学, 総合理工学研究院, 技術職員 (40852629)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | アスベスト / in silico model / 計算流体力学 / 数値気道モデル / 沈着 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は建築解体時に発生するアスベストの飛散と空気中濃度を必要十分な工学精度で予測した上で,アスベストの経気道曝露に伴う短期・長期の健康影響を定量的に評価するための数値気道モデル (in silico model)を開発する.研究初年度である2020年度は,特にアスベスト研究に特化した数値気道モデルの作製,ならびにアスベストの並進・回転運動を考慮したLagrange輸送モデルの開発に取り組んだ. (1)アスベスト研究に特化した数値気道モデルの作製:これまで研究グループで開発に取り組んで来た数値気道モデル(鼻腔から気管支第四分岐までを再現した数値解析用の上気道モデル)の幾何形状を更に詳細に再現し,アスベスト繊維と粘液・粘膜上皮の沈着を精緻に再現するための数値気道モデルを2種類作製した. (2)アスベストの並進・回転運動を考慮したLagrange輸送モデルの開発:アスベストは繊維状の幾何形状であり,空気中輸送の際には移流を駆動力とする並進の他,力学的作用として回転を考慮する必要があり,特に幾何形状と回転は粘膜上皮組織に対する沈着メカニズムに支配的な影響を与える.2020年度は,アスベスト繊維の幾何形状パラメータ(長繊維,短繊維等)を用いて抗力を修正するモデルを作製し,Lagrange 輸送モデルへの組み込みを行った.加えて,完全粒径粒子の輸送現象との差異を確認するための予備解析を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従って研究を進めており,アスベスト繊維の幾何形状パラメータを考慮した抗力モデルを組み込んだLagrange解析モデルの結果は,国際ジャーナルに投稿できる程度まで研究が進展している. その一方,COVID-19パンデミックに伴う出張規制のため,当初予定していた豪州ADRIでの現地での共同研究が実施出来ていない.オンラインでの情報交換を頻繁に実施することで,数値解析モデル開発に先行して取り組むことで全体の研究レベルの維持に努めた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は豪州ADRIとの国際共同研究の推進に主眼があるが,COVID-19パンデミックの出張規制のために,対面での議論や実験実施が出来ていない.出張規制解除後はすみやかに豪州ADRIに出向き,共同研究を推進する計画である.
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Causes of Carryover |
COVID-19パンデミックによる出張規制のため,当初計画していた豪州出張ならびに現地での共同研究実施が認められず,当初計画の出張旅費が全て未使用となったことから,次年度使用額が発生した. COVID-19パンデミックが沈静化し,出張規制が解除された後,すみやかに豪州での現地共同研究を推進する計画である.
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Research Products
(3 results)