2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Basis for Crisis Management Analysis of Human Disaster Factors in the Historic Area of Chiang Mai as a World Heritage Candidate
Project/Area Number |
20KK0101
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三島 伸雄 佐賀大学, 理工学部, 教授 (60281200)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渕上 貴由樹 佐賀大学, 理工学部, 助教 (00530172)
中山 功一 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (50418498)
|
Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
|
Keywords | 世界遺産 / チェンマイ歴史地区 / 人的災害要因 / 防災危機管理 / 観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染症の影響によって海外渡航できなかったが、渡航許可を得て令和4年9月に渡航できた。共同研究者であるWoralun Boonyasurat准教授(チェンマイ大学・社会科学研究所所長)他と打ち合わせを行い、現地調査等を実施した。現地調査では、コロナ禍で渡航できなかった際に何とか入手して実施した研究を含めて、以下の4つの観点での調査を行った。すなわち、1)歴史的都心部において被災時の影響が大きいと考えられる市場およびその周辺状況の調査、2)増加することが想定される観光客のホテルの状況と水害時の避難経路の調査、3)歴史的都心部の観光資源の分布等を踏まえた歩行環境の調査・分析、4)歴史地区から周囲の自然環境への眺望景観、5)かつては不法居住地域であったが、近年少しずつ改善型整備によって観光化が進みつつあるチェンマイ市メカ運河沿いの居住区域の調査を行った。 現地に学生6名(うち、チェンマイ大学からの留学生1名)を帯同し、約10日間滞在するなかで、研究計画に従って、現地で許可を得ることができたところについて、ヒアリング調査・データ収集(写真、平面・断面等の採取)および各種資料を詳細に入手することができた。また、タイの世界遺産の権威であるAssoc. Prof. Dr. Yongtanit Pimonsatheanにチェンマイを案内していただき、これまで十分ではなかったチェンマイ歴史的資源の特質について把握することができた。 これらについて、随時研究発表と論文投稿を行った。その結果、3)と4)については、Journalに1本ずつ採録された。2)と5)については、国際会議UIA2023(7月デンマーク開催予定)に採択されてSpringer bookに掲載されることが決定した。さらに、3)に関連する調査結果を日本建築学会大会2023に投稿して、9月に京都大学にて発表予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度11月に採択されたがコロナ禍で全く渡航できず、令和3年度中はオンラインで情報交換する程度であった。令和4年度になって約2年遅れでコロナ禍における海外渡航がようやく可能になり、データを収集して論文投稿できるところにまできた。 しかし、本来ならば、昨年度には国際会議等に投稿できたはずのものが今年度になっており、全体的に遅れている。本来ならばすでに3回タイ・チェンマイに渡航できているはずのものが、現地調査もまだ1回にとどまっており、データの収集が不十分なところは否めない。特に、分担研究者も渡航して調査を行う予定であったが、渡航できず、分担研究者が行うべき部分についてはほとんど実施できていない。 また、チェンマイの世界遺産申請についても、コロナ禍の影響があると連絡を受けている。すなわち、現地での調整も不十分になったため、コロナ後の世界遺産選定全体が2年ほどずれ込んでいるとのことである。チェンマイの世界遺産選定コアチームの調整もその影響を受けている。 以上より、「(4)遅れている」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
チェンマイ大学に夏頃に渡航して、データ収集を行う予定である。特に、その体制においては、令和4年10月までJSPS外国人特別研究員で来日していてチェンマイ世界遺産コアチームのメンバーでもあるDr. Nattasit Srinurak氏、ならびに本研究代表者(三島伸雄)の研究室で令和4年9月に博士号を取得したDr. Janjira Sukwai氏が社会科学研究所に戻っており、彼らとも連携して研究を推進する体制を構築している。また、これまでチェンマイ大学に本研究に協力している大学院生2名が本年8月から令和6年2月までチェンマイ大学に交換留学する予定であり、その中でのデータ収集および整理も行う(指導教員:同大学建築学部のAssist. Prof. Dr. Umpiga Schudmadtayer先生)。また、10月には、チェンマイ大学から博士前期課程に留学してくる学生もいる。その他、学部4年生が本研究に参加意思を示しており、研究内容について調整をおこなっている。 一方で、7月には国際会議UIA2023で、本研究に直接関わる2題の研究発表を予定しており、世界各国の研究者と意見交換をする予定である。それらは、Springer Bookにも掲載されるため、多くの反応があると期待している。 これらによって、研究を推進する予定である。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍によって渡航することが令和2年度および3年度の1年半の間、相手国に渡航できず、オンラインでの相手機関との協議や、相手機関から別途JSPS外国人特別研究員として2年間来日していたDr. Nattasit Srinurak氏との直接のやりとりで研究を実施せざるを得なかった。令和4年度に渡航して調査を行うことができたが、分担研究者は渡航せず、かつ1回のみに留まったため。 今年度、国際会議UIA2023(デンマーク、2023年7月)での研究発表、タイ国チェンマイでの相手機関との打合せ・調査・データ収集の実施、データ分析、建築学会他への論文投稿を実施していく予定である。そのために必要な海外渡航旅費、調査協力学生への謝金、備品および消耗品やソフト等の購入、その他に使用する計画である。
|
Research Products
(11 results)