2022 Fiscal Year Research-status Report
次世代複合物理モデリングを活用した分散型マルチエネルギーの最適設計
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20KK0102
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
白石 靖幸 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (50302633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 卓矢 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (00848319)
山田 浩史 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (80778184)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Keywords | Modelica / エネルギーシミュレーション / エネルギーリソース / 建築設備 / 最適制御 / 再生可能エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、主に1)人工知能技術を駆使した最先端の最適制御の開発、2) 次世代の建物-街区エネルギーシミュレーション(次世代複合物理モデリング)の導入、3)分散型マルチエネルギーの最適設計を実現する連成解析ツールの構築とその検証 に大きく分類される。2022年度の主な成果は以下の通りである。 1)家庭用エネルギーリソース(ER)の最適制御手法として、昨年度開発を行った混合整数線形計画法(MILP)による制御手法を全電化型の複数ER(1世帯分)を対象に拡張した。更に街区(複数世帯)を対象に、各世帯の要求(省エネ、コスト削減等)を満足しつつ、街区としての要求(系統貢献、デマンドレスポンス等)を満たす、階層型の最適制御手法を提案し、北九州市内の10世帯の電力需要データを用いたシミュレーションを実施し、その有効性を確認した。尚、新たなERとして、EVモデルを作成すると共に、マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた走行需要データの推定手法に関する検討も行った。 2)これまで、Modelica IBPSA Library のIDEAS Library (KU Leuvenの研究者らが開発)を用いて、躯体蓄熱放射空調が導入されたオフィスの1フロアモデルの作成を行ってきたが、今年度はBuildings Library(Lawrence Berkeley National Laboratoryの研究者らが開発)を用いて空調熱源(空冷チラー)のモデル構築を行った。 3)2)にて開発した空調熱源のモデルをオフィスの1フロアモデルに組み込み、多入出力系のスパースMPC(モデル予測制御とスパースモデリングの併用手法)にて制御を行うことで、TABSの積算送水流量、熱源のエネルギー消費量共に大幅に削減されることを次世代物理複合モデリングと最適制御との連成解析により確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い、概ね予定通りに研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度も引き続き、北九州市立大学・国際環境工学部を主たる研究拠点とし、KUL関係者らと定期的なオンラインミーティングを行いつつ、研究課題に取り組む。研究代表者である白石に加え、研究分担者もしくは大学院生がKULを訪問し、IDEAS(KU Leuvenの研究者らが開発)のモデリング・ハンドリング技術の更なる習得や最適制御手法との連成解析に関する意見交換を集中的に行い、本研究を推進させる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、研究開始当初から予定通りのベルギー渡航が実施できておらず、一部繰越金が生じている。2022年度までの繰越金と2023年度の請求助成金は主に研究代表者や学生らの渡航、滞在費や国内外の学会参加経費や論文掲載料として使用する予定である。
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Research Products
(16 results)