2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Novel Tailor-Made CoCr-Based Superelastic Biomaterials
Project/Area Number |
20KK0108
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
XU XIAO 東北大学, 工学研究科, 助教 (20781389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 恭介 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40507901)
大森 俊洋 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60451530)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Keywords | 生体材料 / CoCr合金 / 超弾性合金 / 積層造形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は研究代表者らが最近開発した高い耐食性および優れた超弾性特性が同時に発現するCo基ホイスラー合金を対象に、超弾性特性および加工性の向上に向けて、日本、ドイツとチェコ、3ヶ国による国際共同研究チームで積層造形技術等を駆使して、テーラーメイド型新規CoCr系超弾性生体材料の開発に挑戦する。
2年目は、日本国内においては、生体材料の応用に向けて磁性を低減するために、Co-Cr-(Al,Si)合金の擬3元系状態図を実験的に決定し、キュリー温度が室温以下かつCr濃度の高い組成範囲を絞り込むことができた。また、これらの組成を持つ試料をサイクル熱処理法を用いて単結晶を作製し、チェコ側の共同研究者に送付し、室温付近における弾性率の温度依存性を調査した。さらに、ドイツ側では積層造形技術の応用を目指して、合金の粉末化が成功し、一回目の積層造形試料の作製を行なった。しかし、今年度は新型コロナウィルスの影響で研究代表者がドイツの共同研究先に赴くことができず、研究の進捗状況にやや遅れが生じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響で研究代表者がドイツの共同研究先に赴くことができず、特に積層造形に関する研究の進捗状況にやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の3年目は2年目に続いて、Co基ホイスラー合金における積層造形技術の応用の可能性を探索し、さらに、本合金系における低ヤング率が出現する起源解明に挑戦する。 新型コロナウィルスの影響が予測されやすくなってきており、海外出張の可能性も見えてきているため、3年目は共同研究先であるドイツ・カッセル大学へ3ヶ月程度の出張を計画し、指向性エネルギー堆積法(DED)、レーザー溶融法(SLM)および電子ビーム溶融法(EBM)、3種類の積層造形方式の条件出しを試みる。しかし、研究代表者が所属する大学の海外出張制限や感染状況次第では、出張を次年度に遅らせる可能性もある。 チェコ科学アカデミーとの共同研究は基本的に順調に進んでおり、本年度では予定通りバルク単結晶試料を用いて応力中弾性率の測定に挑戦する。 日本国内においては2年目に実験で決定したCo-Cr(Al,Si)合金の擬3元系状態図の情報を活用し、キュリー温度が室温以下かつCr濃度の高い組成範囲に注目し、 生体材料の応用に重要である機械特性を調査する。まず多結晶状態の試料において熱間加工性および冷間加工性を調査し、冷間加工が難しい組成については温間加工性も調査する。さらに、冷間加工もしくは温間加工によって形成された集合組織の特徴を明らかにし、低ヤング率および優れた超弾性特性が現れる加工方法の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で外国出張の計画が遅れたため、次年度使用額が生じた。
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