2022 Fiscal Year Research-status Report
Operando ME分光に立脚した固体触媒反応場の設計と創出
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20KK0111
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鳥屋尾 隆 北海道大学, 触媒科学研究所, 助教 (80775388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 禅 工学院大学, 先進工学部, 准教授 (30721154)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | Modulation Excitation / 不均一系触媒 / in situ/operando分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
Modulation Excitation (ME)法は分光法におけるシグナル/ノイズ(S/N)比を劇的に向上させ、物理・化学現象の動的過程に関与する種を選択的に解析することのできる強力な手法である。本研究では、このME分光と、触媒動作条件下で触媒の分光学的評価と触媒活性・選択性の測定を同時に行う手法と定義されているOperando観測とを組み合わせることで二酸化炭素の水素化反応や排ガス浄化反応の機構研究を行い、触媒反応場の設計指針確立を目指している。 2022年度は、既存触媒について、XAS、IR分光を用いて機構解析を行った。特に、ME分光とPhase-Sensitive Detection(PSD)解析の組み合わせや、Multivariate Curve Resolution (MCR)解析を適用することで、反応には関与しない種(Spectator)に埋もれた真の活性種の状態を確認した。Re/TiO2を用いたCO2水素化反応では、Re金属クラスター/ナノ粒子と、単核のRe種の両方が協奏的に働くことで反応が進行していることを明らかにした。 加えて、理論計算からも重要な知見を得た。現代の計算化学で一般的に用いられる手法は、温度や圧力等の条件を考慮しないため、物質のダイナミクスが重要となる触媒分野、特に、本課題のように高圧条件下で活性種の動的挙動捉える必要のある研究では反応条件を加味した計算が必須となる。そこで本研究では反応雰囲気や温度の影響を計算結果に導入できる第一原理熱力学法、マイクロキネティクスモデリング等を活用することで実条件に即した理論計算を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19による旅行制限等も緩和され、日本側研究者による海外での研究活動を行えた。また、前年度以降に環境を整備した、各研究機関での実験も効率的に進めることができたため、研究はおおむね順調に進展している。当初海外で行う予定としていた研究内容の一部を、日本側で実施できる体制も整えており今後もスムーズな研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討で確立した触媒設計指針に従って、改良触媒を開発する。ME分光とPSD解析の組み合わせや、MCR解析の適用例を増やし、より詳細な作用機構解明を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、一部物品の納品が遅れたため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(4 results)