2022 Fiscal Year Research-status Report
Development new materials for pneumonia
Project/Area Number |
20KK0125
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
纐纈 守 岐阜大学, 工学部, 教授 (50178208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹森 洋 岐阜大学, 工学部, 教授 (90273672)
濱本 明恵 岐阜大学, 工学部, 助教 (60784197)
二ノ宮 真之 岐阜大学, 工学部, 教務補佐員 (90557638) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | ヒドロキシカウレン酸 / COPD / ヌマダイコン |
Outline of Annual Research Achievements |
絶滅危惧植物ヌマダイコン(Adenostemma lavenia)の肺炎緩和素材の候補となるカウレン酸誘導体を大量に含有する。しかし、日本ではヌマダイコンは絶滅危惧種に指定され、量的確保が困難である。そのため、ヌマダイコンが生育しやすい温暖多湿なインドネシアにある研究機関ボゴール農科大学(IPB)と共同研究を行っている。最適な栽培条件を確立するため合成肥料と有機肥料の各種混合比で栽培条件の比較検討を行った結果、カウレン酸含量が高まる栽培条件を確定することができた。岐阜大学では、11αOH-カウレン酸および、ヌマダイコン水抽出物に、炎症性サイトカインの発現抑制と肺組織破壊に関与する好中球エラスターゼ(ERA2)の活性阻害を見出した。また、有機合成による構造修飾により11αOH-カウレン酸をより高機能化できた。これらの薬理作用は複数経路の存在が示唆されており、今後は薬理作用の経路ごとの解析を進め機能解明に向けて研究を進めていく。また、各種カウレン酸類縁体の誘導体の合成を行い、置換基の違いによる構造活性相関のための化合物群を調製した。今後これらの化合物群の活性評価を行い、より有効な化合物の探索を実施していく。 また、岐阜大学の留学生受け入れ制度を活用して、IPBの修士学生1名を2ヶ月受け入れ研究指導を行った。 これまでの研究成果として、 (1)Journal of Natural Medicines, 76 (1), 132-143 (2022).(2)Phytochemistry Letters, 49, 132-137 (2022).(3)Pharmacognosy Journal, 14 (4), 432-444 (2022). 上記3報の学術論文を投稿し受理され報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスのため互いの行き来ができず直接会って情報交換することができなかったが、TV会議システムを用いて双方で情報交流し、上述のごとく着実に共同研究を進めている。また、3編の学術論文を投稿し受理され公開している。
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Strategy for Future Research Activity |
生体レベルでの薬効をより詳細に解析し、将来の創薬素材としての可能性を検証する。加えて、カウレン酸の抗炎症作用に直結する標的マーカーを同定する。現在、転写因子STAT1活性がマーカー候補となりうるが、STAT1の遺伝子発現低下も観察されており、STAT1の上流の解析も必要となる。 カウレン酸は比較的副作用を伴わない抗炎症剤であるが、副作用をより広く検出するために、実験動物に投与した際の血液指標解析も必要となる。
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックの影響により、インドネシアなど海外への出張ができず旅費が使用できなかった。また、化合物の調製や生物評価の面において少し不具合もあり文献調査などに注力し慎重に研究を進めたため実験の進捗に多少の遅延が生じ試薬などの購入を控え、翌年度の集中して研究することとしたため。
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Research Products
(6 results)