2021 Fiscal Year Research-status Report
Interplay between nutrition and reproduction in the neuroendocrine network of fish under tropical monsoon environments
Project/Area Number |
20KK0143
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
竹村 明洋 琉球大学, 理学部, 教授 (40222103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 千裕 琉球大学, 理学部, 技術補佐員 (20888664)
武方 宏樹 琉球大学, 戦略的研究プロジェクトセンター, 特命助教 (60814192)
野津 了 一般財団法人沖縄美ら島財団(総合研究センター), 総合研究センター 動物研究室, 主任研究員 (70774397)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | ベトナム / モンスーン / ゴマアイゴ / 栄養 / 生殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、モンスーンと連動する降雨量変化に起因する海域の一次生産量と魚類の栄養改善に着目しながら、魚類の繁殖活動の時刻あわせが成立するための生理機構を明らかにすることを目的とした。令和3年度は、昨年度と同様に日本国内での新型コロナウイルス感染拡大のため、日本人研究者が主たる共同研究の調査地であるベトナムフエに渡航することが困難であった。そのため、国内実験を進めるとともに、現地共同研究者とはオンラインでの共同研究の内容に関して打合せを行った。
国内実験では、調査地点での対象生物となるゴマアイゴを用いて、視床下部―下垂体―生殖腺軸の上位部位に働きかけ、性成熟に影響を与えるインシュリン様成長因子(IGF)に着目して実験を行った。甲状腺ホルモンやメラトニン投与によって、肝臓におけるIGF遺伝子の発現量は変動することがわかった。このことから、本種の肝臓におけるIGFの働きは成長ホルモンだけではなく甲状腺ホルモンやメラトニンによっても合成が制御されており、複数の内分泌軸が相互に関係していることが明らかになった。今後は、栄養代謝系関連遺伝子の受容体(IGF、レプチン、そしてグレリン)に着目することで、詳細なネットワークを明らかにしていく予定である。
一方、オンラインで行った打合せでは、現地調査の進捗状況を確かめた。昨年度の打合せ内容(調査地点を何処にするか、どのような環境因子をどのくらいの頻度で調査するか、誰が何を担当するか、サンプルや調査結果をどのように保存するのか、コロナウイルス感染状況を考慮にいれた共同研究をどのように進めるのか、など)に基づき、予備調査がベトナムスタッフで開始され継続中である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ベトナムでの調査に必要な国内実験は順調に進んでいるが、新型コロナウイルス感染症拡大が収まらないため、琉球大学の指針に従い海外渡航を自粛している。そのため令和3年度に計画していたベトナムへの渡航(2回)ができなかった。現地(フエ)の共同研究者とはメールベースとオンラインを併用して情報共有しつつ共同研究は進めているが、ようやく環境調査が現地スタッフで開始されたところである。サンプル採集やその分析ができていないため、判断をやや遅れているにした。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症拡大が収まり、琉球大学の指針に従っての渡航自粛が解除されれば、日本人研究者が渡航して即座にフィールドでの最終を開始することにする。そのために国内実験を進めていく。ベトナムの共同研究者とは今後もオンライン等での情報交換を密に行い、共同研究が進められるようにする。
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Causes of Carryover |
国際共同研究が採択されて2年が経過したが、初年度から新型コロナウイルス感染症拡大が続き、学内ガイドラインに従い海外渡航が制限されていた。したがって、共同研究者(フエ農林大学:フエ市)との調整はオンラインのみとなっていることから、本来予定していた過去2年分の海外渡航にかかる旅費が使えなくなっている。学内のガイドラインは現在も有効であるため海外渡航は制限されているが、制限が解除された場合のことを考えて必要と考えられる旅費を確保している。このため次年度使用額が生じている。ただし、共同研究者とのミーティングに基づいた学内実験を優先することととし、次年度使用額を利用して行くことにしている。
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Research Products
(10 results)