Developing an analytical method of multi-elemental Isoscapes by international networks

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20KK0165
• Research Institution: Research Institute for Humanity and Nature
• Principal Investigator: 陀安 一郎 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 教授 (80353449)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松林 順 中央大学, 理工学部, 助教 (30756052) ; 吉川 知里 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 副主任研究員 (40435839) ; 申 基チョル 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 准教授 (50569283) ; 原口 岳 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 研究員(任期付) (90721407) ; 長田 穣 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 本部, 任期付研究員 (90750084)
• Project Period (FY): 2020-10-27 – 2025-03-31
• Keywords: Isoscape / 安定同位体比 / 多元素分析 / モデリング

Outline of Annual Research Achievements

本年度は、新型コロナ（COVID-19）の状況が厳しく海外渡航は不可能であることがあらかじめ想定されたために、もともとオンラインベースの共同研究を想定していた。それに従い、各テーマについて個別の研究を行い、情報を共有することで研究が進展した。各テーマの課題については以下の通りである。
テーマ１「多元素同位体地図モデリング手法の開発」に関しては、海洋生態系における事例を題材として、２元素を組み合わせたモデリング手法の検討・開発を行なった。具体的には、１元素の応答変数をもつ既存のモデリング手法を拡張して、複数元素の応答変数を同時に考慮できるようにした。開発中のモデルでは、元素間の共分散を考慮するため、空間自己相関のモデリングを元素間で（一部）共有した。元素数や調査地点数が多い場合に、開発中のモデリングは多くの計算時間が要することが判明したため、尤度の近似といった計算の省力化を今後検討する必要がある。
テーマ２「陸域生態系の同位体地図解析法の開発」に関しては、陸域における生物移動の推定手段としての複数元素の利用を検討した。各元素の同位体分布の決定要因は異なるが、これらを合わせることで得られる推定手法のメリットについて検討するため、同一地域の多元素分析データを得る検討を行なった。
テーマ３「海洋生態系の同位体地図解析法の開発」に関しては、海洋における放射性炭素同位体比に関する同位体地図作成に関する準備を行なった。今後、海洋モデルをベースとした同位体地図と実測データをベースとした同位体地図の2種類を構築するために、海洋大循環モデルをベースとした窒素同位体モデルへ、どのように放射性炭素同位体の循環を組み込むかを検討した。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は年度後半である１０月に採択されたことと、新型コロナ（COVID-19）禍で海外渡航が行えないことから、もともとメールベースおよびオンライン会議ベースでの研究進行を想定していた。その意味で、海外渡航が行えない中での研究進行は想定内である。本年度は、研究者間で研究計画及びその年次進行に関する検討を行うことで初年度の成果とした。

Strategy for Future Research Activity

研究計画申請時には、研究計画２年次から海外渡航を検討していたが、現時点で新型コロナ（COVID-19）の状況はあまり改善しておらず、今後の状況も定まっていない状況である。その場合は、引き続きオンラインでの共同研究体制を維持しつつ、渡航が可能になった時点で行える共同研究を想定して研究を継続しておく。

Causes of Carryover

新型コロナ（COVID-19）の状況によって、あらかじめ今年度の海外渡航は不可能である前提で計画していたが、その他の活動もいろいろ制限されたために、次年度に計画を持ち越した。