2021 Fiscal Year Research-status Report
感覚モダリティ理解のためのミクログリア・シナプス接触の多角的解析
Project/Area Number |
20KK0170
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
和氣 弘明 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 教授 (90455220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 伸彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (10432155)
加藤 大輔 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 特別訪問研究員 (10712292)
竹田 育子 生理学研究所, 基盤神経科学研究領域, 特別訪問研究員 (30746300)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | ミクログリア / 異種感覚可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、ミクログリアによる異種感覚可塑性の誘導について 第一次感覚野から高次視覚野(V2L)の投射に着目し、視覚遮断マウスにおいては本経路が活性化することを見出した。これはミクログリアから放出されるMMP9がV2Lにおいて細胞外基質を消化することで、興奮性神経細胞周囲に存在する抑制性シナプスを剥がすことによって成立することを明らかにした。さらにこの作用によって感覚識別力が向上することがMMP9を阻害したマウスではこの識別力向上が認められないことで明らかとなった。 2、ミクログリアの突起制御について 運動学習に伴いミクログリアの突起動態がランダムなものから定型的なものへと変化することを明らかにした。学習初期ではランダムであることにアストロサイトの機能応答が関与し、アストロサイトの小胞放出を阻害することで、学習初期に起こすシナプス新生が抑制され、学習過程が阻害されることを明らかにした、さらに後期ではシナプス前終末の応答が関与し、これを修飾することで、現在その効果を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
オンラインでの国際共同研究の打ち合わせがスムーズにいき、順調に当初の計画以上に進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
今後これらの分子メカニズムを国際共同研究で明らかにする。さらに統合失調症モデルマウスが確立したので、この統合失調症発症におけるミクログリアのエピゲノム動態を検証し、これをミクログリアによるシナプス修飾と関連づける予定である。さらに異種感覚を生理的状態で誘導することによって起こるミクログリアの変化を明らかにする。
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Research Products
(14 results)