2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of anti-cancer strategy by exploiting BACH1 addiction
Project/Area Number |
20KK0176
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
五十嵐 和彦 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00250738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 弘季 東北大学, 医学系研究科, 助手 (00448268)
落合 恭子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10455785)
西澤 弘成 東北大学, 医学系研究科, 学術研究員 (30846655)
松本 光代 東北大学, 医学系研究科, 助教 (80400448)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Keywords | 膵癌 / 乳癌 / 頭頸部癌 / 転写因子 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
BACH1については、前年度までに質量分析にて同定したリン酸化部位について、リン酸化修飾をうけることを変異導入などにより確定した。この修飾を触媒するリン酸化酵素のBACH1制御における役割について、ノックダウンおよび過剰発現実験により検討を進めた。その結果、BACH1のタンパク質安定性を制御することを確定するとともに、リン酸化BACH1の分解にはユビキチン-プロテアソーム系、オートファジー-リソソーム系、そしてこれらとは独立したタンパク質分解系が関わることを見いだした。さらに、リン酸化以外でも機能制御に重要と思われる修飾を見いだし、その制御の意義について検討を進めた。このリン酸化以外の修飾が機能制御に関わる可能性について、膵癌、乳癌細胞などを用いて検討を進め、増殖能などに関わることを見いだした。BACH1標的遺伝子を解明するために前年度に実施した頭頸部癌細胞でのクロマチン免疫沈降シークエンスとRNAシークエンスのデータを統合解析し、頭頸部癌、膵癌、乳癌でことなる下流遺伝子群を介する癌悪性化機構が存在する可能性を見いだした。PC4についてはヒストン修飾との関係を質量分析により検討し、核内の特定の領域のクロマチンおよび遺伝子発現制御に関わる可能性を見いだした。以上の実験のうち、乳癌細胞の解析はシカゴ大学Rosner教授研究室とオンライン討論により随時データを交換し、それぞれの研究室にて実験を実施した。Kundu教授とはPC4に関する実験結果についてオンラインで討論を進めるとともに、Kundu教授の下で学位を取得した者が研究員として参加し研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID19の影響により五十嵐や分担者が共同研究先を訪問することはできなかった。しかし、五十嵐が指導した若手研究者が2020年度にRosner教授研究室の博士研究員として着任したこと、Kundu教授が指導した若手研究者が五十嵐の研究室に博士研究員として参加していることなどから、ウェブ会議やSNSを駆使した情報交換と討論を円滑に進め、実験を分担しつつ実行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID19による海外出張制限が解除され次第、解除国の共同研究先を五十嵐が訪問し、これまでに得た実験結果をベースとする論文構想を討論する。いくつかの次世代シークエンスを用いる実験について、Rosner教授が所属するシカゴ大学のコアファシリティーにて実施する。PC4については新学術領域研究「先進ゲノム支援」の2021年度課題に採択されBリンパ球ヒストン修飾、クロマチン構造に関する測定を進め既にデータを得たので、その統合解析と検証実験を進める。その結果を参考にKundu教授らとの共同研究へ展開していく。
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