2021 Fiscal Year Research-status Report
マカク属サルfMRIによる高次脳機能制御の全脳マッピングと神経回路の因果的証明
Project/Area Number |
20KK0189
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
肥後 剛康 京都大学, 医学研究科, 講師 (10396757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一戸 紀孝 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 微細構造研究部, 部長 (00250598)
後藤 明弘 京都大学, 医学研究科, 助教 (10741332)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Keywords | fMRI / 霊長類 / 神経回路操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、霊長類高次認知機能の制御メカニズムの因果的証明であり、研究は以下の2点から構成される。(1)日本国内において実現不可能なマカクザルfMRIによる全脳マッピングを英国オックスフォード大学と連携することで遂行し、高次脳機能「推測」と「意思決定」制御の責任脳部位を同定する(2) 同定された脳部位間ネットワークへ申請者が独自に開発した神経遮断遺伝子発現系を導入し、ネットワークの重要性を因果的に証明する。世界的COVID19感染状況下における移動制限により、(1)の遂行が困難なため、(2)の神経遮断遺伝子発現系のサルでの最適化を国内において優先遂行した。テスト系として前頭前野内において、薬剤による神経遮断遺伝子発現系制御システムの検証を行い、システム確立を免疫組織化学的に確認した。これにより、複数の脳領野間での相互作用を検証する技術を先行して準備することができ、課題の1つを技術的にクリアすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究目的は、霊長類高次認知機能の制御メカニズムの因果的証明であり、研究は以下の2点から構成される。(1)日本国内において実現不可能なマカクザルfMRIによる全脳マッピングを英国オックスフォード大学と連携することで遂行し、高次脳機能「推測」と「意思決定」制御の責任脳部位を同定する(2) 同定された脳部位間ネットワークへ申請者が独自に開発した神経遮断遺伝子発現系を導入し、ネットワークの重要性を因果的に証明する。世界的COVID19感染状況下における移動制限により、(1)の遂行が困難なため、(2)の神経遮断遺伝子発現系のサルでの最適化を国内において優先遂行した。テスト系として前頭前野内において、薬剤による神経遮断遺伝子発現系制御システムの検証を行い、システム確立を免疫組織化学的に確認した。これにより、複数の脳領野間での相互作用を検証する技術を先行して準備することができ、課題の1つを技術的にクリアすることができた。渡英制限によって(1)の研究推進に支障をきたしている点をマイナスの評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は国際情勢を注視しながら、研究代表者が、オックスフォード大学へ渡英し、共同研究者のグループと連携することで、サルfMRIを行い、高次脳機能を制御に関与する脳部位の同定を行う。具体的には、「推測」と「意思決定」を評価する課題をそれぞれMRI外でマカクザルへ訓練し習得させる。次に、実際のMRIマシーンの同寸模型内で実際の課題を遂行させ、MRI実験への馴化を行う。馴化完了後、fMRIとデータ処理・解析を行い、各脳機能制御に重要な部位の同定を行う。
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Causes of Carryover |
本研究は以下の2点から構成される。(1)日本国内において実現不可能なマカクザル fMRIによる全脳マッピングを英国オックスフォード大学と連携することで遂行し、高次脳機能「推測」と「意思決定」制御の責任脳部位を同定する(2) 同定された脳部位間ネットワークへ、申請者が独自に開発した神経遮断遺伝子発現系を導入し、ネットワークの重要性を因果的に証明する。世界的COVID19感染状況下における移動制限により、(1)の遂行が困難なため、(2)の神経遮断遺伝子発現系のサルでの最適化を国内において優先遂行した結果、研究が予想以上に順調に進捗した結果、サル購入費等で相当の費用を必要とした。
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