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2021 Fiscal Year Research-status Report

Establishment of lung cancer organoids and their practical application in clinical practice

Research Project

Project/Area Number 20KK0202
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

眞庭 謙昌  神戸大学, 医学研究科, 教授 (50362778)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 青井 貴之  神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (00546997)
法華 大助  神戸大学, 医学研究科, 特命講師 (80715459)
Project Period (FY) 2020-10-27 – 2023-03-31
Keywords肺がん / オルガノイド / 癌浸潤 / 腫瘍血管新生 / 抗癌剤感受性試験
Outline of Annual Research Achievements

人工肺癌オルガノイドを孵卵開始後10日目の漿尿膜上に移植したところ、細胞ペレットとして移植した細胞群が翌日には1箇所に集簇し、移植後5日目には移植部位周囲は肉眼的に明らかに肥厚したnestを形成し、それを取り囲むように太い血管が存在し、周囲、移植片の表面には蛇行するらせん状の血管を無数に認めた。この血管を超高感度カメラで観察したところ、太い血管から無数の血管が分岐し、それぞれが腫瘍から血流が流入、流出していることが確認できた。また。それらの細枝は、各々が蛇行し微細な血管によって連結し毛細血管網を形成していた。肺癌細胞株(A549)を移植したものと比較し、人工肺癌オルガノイドを移植したものでは組織が明らかに肥厚しており、膜上に明らかなmassを形成し、漿尿膜の構造を破壊し、膜内に浸潤している様子が確認できた。 また、免疫組織化学で、ヒト由来の細胞のみを染色すると、漿尿膜内に存在し、一部増殖、浸潤を疑う形態を示すオルガノイドを認めた。以上から、鶏卵漿尿膜培養は、浸潤や血管新生を含む癌‐宿主相互作用を評価することが可能で、ヒトの癌病巣でみられる病態を模倣した現象を5日間で誘導できることが明らかになった。また、化学療法感受性試験についても検討した。人工肺癌オルガノイドを3日間漿尿膜上で培養後、殺細胞性抗癌剤であるシスプラチンを滴下し2日間培養したところ、人工肺癌オルガノイドは白色に変化し、周囲の血流もなくなり壊死していることが確認できた。しかし、何も移植していない漿尿膜に同様の実験を行ったところ、滴下部位の周囲の血管が白色に変化し、漿尿膜も壊死していたことから、シスプラチンが人工肺癌オルガノイドのみに作用し壊死したとは考えにくく、漿尿膜も含め作用したことにより壊死したのではないかと考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

理由
新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限により、国際共同研究の相手先であるトロント大学呼吸器外科・病理部へ赴いておこなう研究が十分に消化できてい
ない。

Strategy for Future Research Activity

①浸潤、血管新生にかかる因子の解明:漿尿膜培養後の細胞からRNA、DNAを抽出し、トランスクリプトームをはじめとする、網羅的遺伝子解析を行う。その結果から浸潤や血管新生に関わる因子を同定する。
②臨床肺癌検体を用いた実験:臨床肺癌検体を漿尿膜培養した報告は今までない。臨床肺癌検体でも本年度と同様の実験を行い、人工肺癌オルガノイドを移植した実験との違いを比較する。
③化学療法感受性試験の最適化:本年度の化学療法感受性試験は漿尿膜自体も障害されてしまう結果となった。この結果を踏まえ、シスプラチンの濃度の最適化や、漿尿膜内の血管に投与する等、異なった投与方法を検討し、より最適な化学療法感受性試験の確立を目指す。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限により、国際共同研究の相手先であるトロント大学呼吸器外科・病理部への渡航、研究実施ができなかったため。

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Published: 2022-12-28  

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