2021 Fiscal Year Research-status Report
The bone as a new sensor of emotional and immunological wellbeing
Project/Area Number |
20KK0213
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
自見 英治郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 翔 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (20707658)
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
川端 由子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (40906830)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 感情 / 免疫 / 骨 / NF-κB |
Outline of Annual Research Achievements |
7週齢雌C57BL/6Jマウス30匹を各10匹ずつEnrichment群, Standard群およびIsolation群に分け1週間飼育したのち、各群5匹ずつに偽手術(sham)および卵巣摘出術(OVX)を行い、さらに4週間飼育した。飼育期間中、1週間毎に体重、摂食量、および飲水量を測定した。飼育終了後に、各群、大腿骨および脛骨を摘出し、骨密度を測定度、骨組織切片を作製した。また、肝臓と脂肪組織を摘出し、重量測定後、組織切片を作製した。Standard群およびIsolation群では、OVX2週後から著しく体重が増加したが、Enrichment群では体重はあまり増加しなかった。OVX4週後の体重は、各群sham群では約3g増加し、各群で有意な差はなかった。一方、OVX群ではStandard群で6g、Isolation群で4g増加したのに対して、Enrichment群では3g程度増加し、有意に体重増加が抑制された。Enrichment群とStandard群では、摂食量、飲水量に変化はなかったが、Isolation群では摂食量、飲水量どちらも増加した。各群sham群と比較して、OVX群で骨密度が低下したが、Enrichment群ではStandard群およびIsolation群と比較して、骨密度が低下していた。また、骨髄中の脂肪細胞の数も有意に少なかった。肝臓の重量はsham群では各群有意な差はなかったが、OVX群ではStandard群およびIsolation群と比較してEnrichment群で小さかった。脂肪組織重量は、sham群、OVX群どちらにおいてもEnrichment群で有意に小さかった。血糖値は、sham群、OVX群どちらにおいてもStandard群で有意に高く、Isolation群とEnrichment群では有意な差がなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で海外の共同研究者D'Acqisto教授の研究室を訪問して解析方法を実際に教授してもらい、習得するに至っていない。また、本プロジェクトを引き継ぐ中国からの留学生も入国できず、実験の予定が大幅に遅れていた。しかし、D'Acqisto教授と定期的にオンラインでミーティングを行いながら実験をスタートさせた。まだ十分な匹数もマウスを解析できていないが、飼育環境の違いによって卵巣摘出後のエネルギー代謝に大きな差が見られること、骨量減少についても著明な差ではないものの、有意に骨量減少が抑制されることがわかった。研究計画は予定より遅れているものの、本プロジェクトを引き継ぐ中国からの留学生も入国でき、解析すべき臓器や解析方法の習得の目処が立ったので、これから十分に遅れを取り戻すことが可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
D'Acqisto教授とは継続してオンラインを使用してミーティングを行い、オンラインでD'Acqisto教授に指示を仰ぎながら、九州大学を中心に埼玉医科大学と共同研究を進める。各群の血清サンプルを用いて、血清中のCTX-1およびセロトニンを測定して、骨吸収および飼育環境の満足度を検討する。Enrichment群, Standard群およびIsolation群に分け1週間飼育したのち、各群5匹ずつに偽手術(sham)および卵巣摘出術(OVX)を行った2週間後に血清を調製して、実績のある業者に網羅的解析を委託する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で共同研究者であるRoehampton大学D’Acquisto教授の研究室で研究指導、研究成果に対するディスカッションを行うための出張が実施できていないため。
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