2023 Fiscal Year Research-status Report
The bone as a new sensor of emotional and immunological wellbeing
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20KK0213
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
自見 英治郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 翔 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20707658)
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
川端 由子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (40906830)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Keywords | 感情 / 免疫 / 骨 / NF-κB / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
閉経後女性における骨代謝およびエネルギー代謝の悪化は、しばしば骨粗鬆症や肥満症の病態に直結しQOLを著しく損なうことから、その予防や進展抑制を行うことが急務である。近年、外部環境によるストレスが、骨代謝やエネルギー代謝に影響していることが報告されているが、生活環境の違いが閉経後の骨粗鬆症やエネルギー代謝異常症の進展に及ぼす影響については不明である。そこで、我々は卵巣摘出術(OVX)による閉経後骨粗鬆症モデルマウスを用いて、偽手術(sham)およびOVX群を、標準的飼育環境 (Standard Condition: SC)、エンリッチメント環境 (Enriched Environment: EE)、単独飼育する孤立環境(Isolation: IS)で、4または8週間飼育し、閉経後の骨代謝・エネルギー代謝機構に環境エンリッチメントが与える影響について解析を行った。その結果、sham 群では各飼育環境間で骨密度の差はなかったが、OVX 群では、SCに比べて、IS では骨密度低下、EEでは骨密度の低下が抑制された。また、体重変化については、sham 群では各飼育環境間での差は認められなかったが、OVX 群では SC=IS>EE という相関が得られた。白色脂肪組織の重量および脂肪細胞の大きさは、SCに比べ、EEで減少していた。さらに、耐糖能試験、インスリン負荷試験では、環境の違いによる顕著な変化は認められなかったが、空腹時血糖値はOVX 群でISO>SC>EEの順に有意に低下していることが明らかとなった。なお、血清中コルチコステロン濃度は、ISO>SC>EEの相関が得られた。以上の結果より,生活環境の充実が閉経後骨粗鬆症の進行抑制、エネルギー代謝改善に寄与していること、さらに、環境エンリッチメントが視床下部―下垂体―末梢内分泌系に影響を及ぼすことで、骨代謝やエネルギー代謝を制御している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で研究計画は当初の予定より遅れているものの、充実環境下で飼育することでストレスホルモンの産生低下と骨量減少および体重増加の抑制に相関が認められた。今後因果関係を明らかにし、さらに分子メカニズムの解析に進むことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験結果より、通常飼育(Standard Condition: SC)と比較して充実環境(Enriched Environment : EE)では骨量減少と体重増加が抑制され、社会的孤立(Social Isolation : SI)では骨量減少と体重増加が亢進した。各飼育環境の血清中のグルココルチコイドの濃度はSI>SC>EEになり、骨量減少および体重増加と相関した。そこでグルココルチコイド受容体拮抗薬ミフェプリストンを腹腔投与し、グルココルチコイドの作用をブロックし、EEおよびSIの効果が見られないことを確認する。
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Causes of Carryover |
英国Roehampton大学のD'Acqisto教授とは研究に関するDiscussionをZoomを使用したオンライで行っているがコロナ禍で予定していたD'Acqisto教授の研究室に出向いて実験指導を受けることができていない。2024年度に渡英を予定している。
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