2021 Fiscal Year Research-status Report
Risk assessment of dengue infection in Philippines using citizen science and spatio-temporal analysis under COVID-19 pandemic circumstance
Project/Area Number |
20KK0223
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小林 潤 琉球大学, 医学部, 教授 (70225514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 理恵 琉球大学, 医学部, 客員研究員 (00623084)
川村 真也 中部大学, 中部高等学術研究所, 研究嘱託・研究員 (20706775)
CarabeoMedina JohnRobert 琉球大学, 医学部, 客員研究員 (40888228)
斉藤 美加 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90235078)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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Keywords | デング熱 / COVID-19 / リスク評価 / 市民科学 / 時空間解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フィリピン統合疾病サーベイランスシステム(Philippine Integrated Disease Surveillance System and Response (PIDSR))で2010年から2022年の13年間に収集されたデング熱発生件数データと気象データをもとに、フィリピン都市部のQuezon Cityと農村部のPuerto Princesa Cityを研究対象地域とし、熱性疾患鑑別診断、疫学パターンの解析、ベクター媒介蚊分布調査、および学校保健を基盤としたリスクコミュニケーションの強化を実施する計画である。フィリピン保健省から入手したマニラ都市圏Quezon Cityの過去10年のデータを解析し、ホットスポットの存在を明らかにした。現在、新型コロナ感染症のデング熱発生の影響を世界レベルとマニラ首都圏で分析しているが、この知見を基に考察を加えることで論文化を行っている。フィリピン側と研究計画詳細について討議を行い、フィリピン都市部のQuezon Cityと農村部のPuerto Princesa Cityを予定していたが、農村部は実現可能性を検討した結果、離島でなく都市部調査地の首都マニラがある同じルソン島に位置するパンパンガ州に変更した。両地区を管轄する教育省と保健省の許可を正式にとり、フィリピンの倫理委員会に申請し審査結果承諾を得た。教育省との議論によって、調査対象学校の選択をし、プレテストが開始された。これによってデング熱に関する教師のリテラシーに関する質問紙は最終化され、今後本調査が行われる予定である。さらに学校保健を基盤とした市民科学を利用したベクター媒介蚊調査に関しては新たにプロポーザルの作成を開始するとともに、蚊調査に使用するアプリケーションの開発を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の実施については日本人研究者の渡航が難しい状況が継続していたことに加えて、フィリピン側研究者の出勤が極めて制限されていたことから令和3年に実施予定している調査の開始は遅れたが、倫理委員会の許可を得られた。このことから現地協力者を中心に新型コロナ感染症の流行をみながらフィールドへの訪問によって実際の調査が開始されるにいたった。一方、日本人研究者の渡航が難しいことが継続したためオンラインを使っての協議によって議論・打ち合わせを頻回に行うことによって現地協力者主体で研究を開始することができた。またフィリピン大学から特命講師を琉球大学側に採用が10月から開始されたため、遠隔での研究実施がさらに効率的に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はフィリピンおよび日本両国の渡航制限が緩和傾向にあるため、実際に現地を訪問し研究を実施する予定である。特に市民科学アプローチによる研究の実施は、現地研究協力者は経験がないためにこの点をどのように実施するか現地訪問によって検討し指導を行う予定である。また上述のように論文作成が進んでいることから、論文投稿とともに国際学会での発表を検討する。
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Causes of Carryover |
令和3年度までは新型コロナ感染症によって現地訪問ができなかったため、全てオンラインの協議によってフィリピン大学公衆衛生学部の協力によって実施してきた。このため実際の研究はオンラインで収集できるデータ解析に限られた。令和4年度は、現地訪問が可能になると考えられるため、これまで実施が難しかった研究を開始する予定である。
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