2022 Fiscal Year Research-status Report
アジア・アフリカの新興感染症ホットスポット域におけるウイルス進化動態の調査研究
Project/Area Number |
20KK0224
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
渡邊 洋平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50452462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 晴子 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10400079)
武田 洋平 帯広畜産大学, グローバルアグロメディシン研究センター, 助教 (30804447)
荒井 泰葉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80793182) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 新興ウイルス / ウイルスエコロジー / 進化動態 / 調査研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請では、新興感染症ホットスポットの中東(エジプト)と東南アジア(ベトナム)の研究機関と連携し、地域に生息する野生動物と家畜が保有するウイル スを系統的に検知することで、自然界でのウイルスの維持メカニズムを明らかにする。 具体的には、以下の1)~5)研究を実施する。1)エジプトにおける野生動物と家畜が保有するウイルスの同定。2)ベトナムにおける野生動物と家畜が保有 するウイルスの同定。3)各地域に分布するウイルスの進化動態の解明。4)ウイルスの宿主域の変化動態の解明。5)大陸間の情報比較によるグローバルなウイルス伝播の解明 本年度についても、COVID-19の継続的な蔓延状況を鑑み、海外渡航を中止せざるを得なかった。一方で、海外カウンターパートと現地の感染症蔓延状況についてWeb会議を継続して実施できたため、次年度(最終年度)に予定する現地調査を効率的に実施する準備が整っている。また国内においても代替的に国立感染症研究所を介して海外で流行するウイルス株の分与を受けて基礎的な研究が可能である。そこで、国立感染症研究所より、SARS-CoV-2のアルファ株、ベータ株、ガンマ株、 カッパー株、デルタ株、オミクロン株の分与を受けて各地域で出現した変異株の比較解析を実施した。特にオミクロン株の病原性解析においては、祖先的な武漢株と比較して、ヒト気道再構築モデルにおいてウイルス複製能の低下が観察された。またIFN応答が減弱しており、免疫誘導能をもつ短鎖viral RNA産生量低下と部分的に関連している可能性が示された。これらの知見は、各地域で出現した変異ウイルスにおいて宿主適応性などに相違が生じ始めていることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度についても、COVID-19(特にオミクロン株)の継続的な蔓延状況を鑑み、海外渡航を中止せざるを得なかった。一方で、エジプトとベトナムの海外カウンターパートと現地の感染症蔓延状況についてWeb会議を継続して実施できたため、最終年度に予定する現地調査の効率的な実施が可能な状況である。また国内においても代替的に国立感染症研究所を介して海外のSARS-CoV-2変異株の分与を受け、地域ごとに発生している変異株の病原性解析や進化動態に関する基礎研究を展開することができた。特にオミクロン株においては、祖先的な武漢株やデルタ株とも異なるウイルス性状が観察されて、ヒト適応性や進化動態に関して新たな知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19は継続的に流行しているものの、海外渡航に対する制限がほぼない状況となった。そこで次年度(研究最終年度)は、地理的に日本から近くまた公衆衛生などのインフラ整備が整っており安全な渡航計画が立てられるベトナムには少なくとも現地調査を実現させる。また今年度まで代替的に推進してきた新型コロナウイルス地域流行株(変異株)の進化動態や宿主適応に関する基礎研究について、次年度が最終年度であることから研究の取り纏めと論文投稿を行う。これらの現地調査の実現と国際連携の枠組みによる基礎研究の推進によって新興ウイルスの進化動態やウイルスエコロジーをモニタリングする連携基盤の強化を図る。
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Causes of Carryover |
COVID-19の蔓延状況を鑑みて調査研究を目的とする海外渡航(エジプトとベトナム)を中断せざるを得なかった。次年度が研究の最終年度となるが、地理的に日本から近くまた公衆衛生などのインフラ整備が整っており安全な渡航計画が立てられるベトナムには少なくとも現地調査を計画しており、次年度は同国への海外渡航にかかる費用に計上する。また今年度まで代替的に推進してきた新型コロナウイルス地域流行株(変異株)の進化動態や宿主適応に関する基礎研究について、研究を取り纏めに向けた追加実験にかかる費用に予算を計上して論文投稿を介した情報発信に努める。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Stimulation of IFN-b responses by aberrant SARS-CoV-2 small viral RNAs acting as retinoic acid-inducible gene-I agonists2023
Author(s)
Arai Y, Yamanaka I, Okamoto T, Isobe A, Nakai N, Kamimura N, Suzuki T, Daidoji T, Ono T, Nakaya T, Katsumoto K, Watanabe Y
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Journal Title
iScience
Volume: 26(1)
Pages: 105742
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] ACE2 N-glycosylation modulates interactions with SARS-CoV-2 spike protein in a site-specific manner2022
Author(s)
Isobe A, Arai Y, Kuroda D, Okumura N, Ono T, Ushiba S, Nakakita S, Daidoji T, Suzuki Y, Nakaya T, Matsumoto K, Watanabe Y
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Journal Title
Communications Biology
Volume: 5(1)
Pages: 1188
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Stimulation of IFN-beta responses by aberrant SARS-CoV-2 small viral RNAs2022
Author(s)
Arai Y, Yamanaka I, Okamoto T, Isobe A, Nakai N, Kamimura N, Suzuki T, Daidoj T, Nakaya T, Okuzaki D, Watanabe Y
Organizer
第23回日本RNA学会年会(英語発表)
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