2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploratory research for neural regeneration after spinal cord injury via ultrasound induced skeletal muscle-released exosomes
Project/Area Number |
20KK0227
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤野 英己 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20278998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 浩代 名古屋女子大学, 健康科学部, 准教授 (50333183)
植村 弥希子 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 助教 (10786601)
中西 亮介 神戸国際大学, リハビリテーション学部, 講師 (60807238)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | エクソソーム / 骨格筋細胞 / 超音波照射 / 脊髄損傷 / 再生 / 微小血管 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では微小環境形成に関与すると考えられるエクソソームに焦点を絞り,骨格筋に対する物理的刺激で放出されるエクソソームがニューロン再生を促進させ脊髄損傷後の運動機能回復に有効であるかを検証することが目的である.特に再生微小環境の形成における微小血管形成とマクロファージについて検証する計画である.2021年度は骨格筋から放出されるエクソソームがマクロファージを制御することができるか.また,超音波自体がマクロファージを制御できるを検証した.最初に骨格筋培養細胞に超音波刺激を与え,ナノ粒子解析でエクソソームの量が増加するかを検証した.超音波刺激により骨格筋細胞から放出されるエクソソームは2倍以上増加することが確認できた.また,超音波刺激による骨格筋細胞の生存率は変化をせず,細胞障害性は示さなかった.骨格筋細胞から放出されるエクソソームを骨髄由来分化マクロファージに添加し,炎症マーカーであるIL-6やIL-1β発現の低下が確認された.この結果から骨格筋細胞から放出されるエクソソームが生体内で有用な効果を引き出す可能性について確認できた.次に骨髄由来マクロファージに超音波照射による炎症制御について検証した.Zombie Redによる細胞障害は確認できず,アポトーシスを生じている細胞も対照群と差が認められなかった.超音波照射はIrg1発現を増加させ,メタボロ解析によりイタコン酸の増加が確認された.さらにイタコン酸はNrf2発現を抑制し,IL-1β,IL-6, Tnf-αの発現が抑制される結果を得た.これらの結果から骨格筋や受傷部位への超音波照射によりマクロファージ制御が可能であることが示唆された. 尚,国際共同研究先に出向いて実験は新型コロナウィルス感染症の影響を受けて,実現しなかったが,電子メールやwebにより打ち合わせを実施した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響を受けて,国際共同研究先に出向いて実験が順調に進まなかった.また,脊髄培養について,いくつかの問題が出てきたために摘出や培養法の改善を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
骨格筋細胞への超音波照射でエクソソームが放出されることが確認され,マクロファージの制御ができる可能性が確認できた.また,直接,マクロファージに超音波照射でもマクロファージ制御ができることが確認できた.今後は骨格筋から放出されるエクソソームや直接受傷部位への超音波照射を利用した脊髄損傷の再生について検証していく計画である.また,脊髄損傷モデルの確立も必要不可欠であるため,国際共同研究先と協力して,実施していく計画である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響を受けて,国際共同研究先に出向いての実験が実現しなかったために旅費を使用しなかった.また,国内での研究においても新型コロナウィルス感染症の影響を受けて,実験が計画通りに進まなかった.
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Research Products
(39 results)