2021 Fiscal Year Research-status Report
Innovative nitrogen removal by marine anammox bacteria in recirculating aquaculture systems
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20KK0244
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金田一 智規 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (10379901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOJIRI AMIN 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (50882627)
押木 守 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90540865)
粟田 貴宣 大阪工業大学, 工学部, 講師 (80724905)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 海洋性アナモックス細菌 / 閉鎖循環式陸上養殖 / 窒素除去 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、閉鎖循環式陸上養殖の普及・安定化・低コスト化の上で課題であった窒素排水処理を克服するために、塩分環境下で活性のある海洋性アナモックス細菌を用いた排水処理プロセスを導入した次世代型陸上養殖システムをスウェーデン養殖研究センター(ヨーテボリ大学)と共同で開発することである。具体的には、(1)海洋性アナモックス細菌の大量培養方法の確立、(2)前処理として部分硝化を組み込んだアナモックスリアクターの開発、(3)閉鎖循環式陸上養殖の循環海水を対象とした窒素排水処理の最適化と検証を行う。 2021年度もコロナ禍により海外渡航が難しいため、ヨーテボリ大学とメールによる複数回の実験計画の打ち合わせ、およびWeb会議によるミーティングを行った。さらに日本国内の研究分担者とはメールを中心に一部対面での実験打ち合わせを行った。 2021年度は、海洋性アナモックス細菌の培地成分として添加している微量金属元素に着目し、それらの種類および濃度を変えて培養を行い、海洋性アナモックス細菌の活性に及ぼす影響を検討した。まず人工海水として用いているシーライフ中に含まれる微量金属元素の濃度をICP-MSによって明らかにした。その後、シーライフ中の微量金属元素のみで海洋性アナモックス細菌の活性が低下するかどうかを検討した。その際、微量金属元素ができるだけ含まれない海水を作製するために高純度試薬を用いて海水を合成した実験系も構築し、シーライフに微量金属元素を添加した対照系と3つの実験系を比較した。その結果、いずれの実験系においても海洋性アナモックス細菌の活性に差は見られなかった。また、16S rRNA遺伝子に基づく細菌叢解析を行った結果、海洋性アナモックス細菌の構成比は変化しないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外渡航ができないために、旅費の執行はできていないが、メールやWeb会議によるミーティングによりヨーテボリ大学および研究分担者とは密に連絡をとっており、研究の進行上問題はない。3つの研究機関で海洋性アナモックス細菌の培養を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は海水成分以外に培地へ添加しているミネラル分の必要性について検討する。また、定量PCR法による海洋性アナモックス細菌の増殖量を把握することで、最適化された培地組成を増殖の観点からも評価する。さらに、実飼育水を用いたアナモックス活性試験および前処理方法(亜硝酸化プロセス)の検討についても実施する予定である。 ヨーテボリ大学への渡航はコロナ禍の状況を見て判断する。
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Causes of Carryover |
研究上の遅れは生じていないが、コロナ禍により外国旅費が執行できないことが次年度使用額の発生した理由である。次年度使用額は広島大学で実施する実験に必要な物品の購入と次年度以降にヨーテボリ大学への渡航費用として使用する予定である。
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