2020 Fiscal Year Research-status Report
ラベルフリーで多重感染定量検出可能なCD型EISのケニアにおける検証研究
Project/Area Number |
20KK0251
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
武居 昌宏 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (90277385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
オケヨ ケネディオモンディ 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 講師 (10634652)
川嶋 大介 千葉大学, 大学院工学研究院, 日本学術振興会特別研究員(PD) (10813785)
彦坂 健児 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (30456933)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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Keywords | 電気計測 / インピーダンス / スペクトロスコピー / 感染症 / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多重感染した血液中に「どの寄生虫種」が「どれだけ」存在するかを検出できる電気インピーダンス・スペクトロスコピー(EIS)法を原理としたラベルフリー多重感染検出法を確立し、これをCD (compact disk)プレーヤー型の血液遠心分離器に組み込むことにより、「その場」で「安価」に多重感染の検出が可能なLab-on-a-CD型EIS検出装置のプロトタイプ機を開発することを目的とする。日本側のミッションとして、1)寄生虫の多重感染血液中に、「どの寄生虫種 」が「どれだけ」存在するかを「その場」で「安価に」検出できるラベルフリー多重感染検出法を確立し、2) Lab-on-a-CD型EIS検出装置のプロトタイプ機を完成させる。一方、ケニア側のミッションとして、3)多重感染動物モデルを用いて、本プロトタイプ機の有効性を検証し、4)多重感染源のケニアのフィールドにおいて、本プロトタイプ機の有用性を検証し、ケニアの現場で使える技術として確立することを目的としている。 昨年度の後半より本研究がスタートし、フェーズIの「プロトタイプ機の製作」における1「EIS検出装置の機器設計」の前段階として、ハードウェアの設計と最適化を行った。特に電気回路を設計し、ファンドリーサービスに発注し計測機器のプロトタイプが完成している。また、市販のCD回転機器の調整を行い、開発した計測機器を用いて、生理食塩水(まだ血液は用いていない)を用いた感度テストなどを行い、許容できる結果を得た。さらに、現在、基礎的なデータの取得を行い、現在当該データをまとめているところである。まだスタートしてから半年で学会発表などの成果はないが、来年度に向けて国際会議と査読論文を準備をしているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ケニア側共同研究者とはweb会議と電子メイルを用いて頻繁にやり取りをしており、2021年の11月8日~16日で、5th Africa International Biotechnology and Biomedical Conference (AIBBC 2021)をケニア国のキスムで開催予定で、すでにwebページもオープンした(https://www.aibbc-society.org/)。コロナが終息したことを確認して、若手研究者である川嶋研究員と研究代表者の武居が、本国際会議に参加し、ケニアの研究機関に赴き、現地でのデータ解析およびシステム構成へのフィードバックによりプロトタイプ機を完成させるための準備を整えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は主にフェーズ(P)1のハードウェア的な設計と最適化、フェーズ(P)2の検出精度の検討・評価と、次年度以降のフェーズ(P)3、4の準備を行う。ケニア側共同研究者とは、月に一度web会議にて議論を行う。主な研究実施計画と<担当者>は以下の通りである(P=フェーズ、J=日本側、K=ケニア側。※計画はケニア側の同意を得ている。 P1「プロトタイプ機の製作」R2-5年度:(P1-②J)EISセンサ設計、感染モデル細胞を用いたSN比の検証、EISセンサの最適化<武居、川嶋>、(P1-③J)プロトタイプ機の製作および性能評価、 測定条件の確立<武居、川嶋> P2「感染細胞の特性評価」R2-4年度:(P2-①J)In vitro検出精度評価、感染細胞のin vitro培養系構築、EIS検出精度の定量的評価、感染細胞や感染マウスの血液を用いた検出精度の検討<川嶋、オケヨ、彦坂>、(P2-②J)独自の等価回路の構築と誘電特性を解析、医学部P2施設にてマウスの感染血液を用いた実験の実施、感染細胞の周波数応答の同定<彦坂、オケヨ>、(P2-③)J)千葉大学医学部のP2施設にて寄生虫感染細胞のPCR解析、(P2-②J)で明らかにした周波数応答との関係性評価<彦坂> P3「多重感染動物モデルによる有効性検証」R3-4年度:(P3-①J)フェーズ1、2の結果を生かしたプロトタイプ機改良<川嶋、武居、オケヨ> P4「ケニアフィールドにおける有用性検証」R3-5年度:(P4-①J&K)準備:JKUATおよびケニア保健省における倫理申請<Odari、Ochola、川嶋、武居、オケヨ>
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Remarks |
千葉大学武居研究室HP 研究業績 http://www.em.eng.chiba-u.jp/~takei/results.html
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