2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Enhancing Comprehensive Disaster Management Capacities through Sustainable Disaster Learning Attained by Disaster Culture Transformation
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20KK0302
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
豊田 祐輔 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (00706616)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | 防災文化の転換 / 防災学習 / 地域防災力 / 不参加住民 / ゲーミング・シミュレーション / レジリエンス / 洪水 / タイ王国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「防災文化の転換を通じた中心参加住民からの周辺参加住民への持続的な防災学習による包括的地域防災力の向上方策の提示」を大目的とし、その事例をタイ北部ナーン県の洪水被害を受けている地域コミュニティとしている。2021年度は次年度の渡航へ向けた準備ならびに海外共同研究者との研究実施へ向けた準備を行った。 まず前者については、チュラロンコン大学環境研究所において(客員)研究員としての受け入れへ向けた書類の準備などを行い、受入承認そして受入大学におけるウェブジャーナル・アクセスを含む図書館サービスの手続きを終え、予定通り研究環境の整備へ向けた準備を終えた。 そして後者については、本研究実施の具体的な事例となる2つの地域コミュニティについて合意し、過去の洪水対策などの情報収集を行った。また2022年5月から6月に現地調査を予定していることから、研究代表者の所属大学における「立命館大学における人を対象とする研究倫理指針」に則り、研究倫理審査委員会へ研究計画を提出した。その過程において、現地調査にあたって取るべき現地との調整方法などについて詳細を詰めるとともに、研究補助者の選定、さらには実施する洪水ゲーム(ゲーミング・シミュレーション:GS1)の内容開発やフォーカス・グループ・ディスカッションの内容をほぼ確定させた。 以上より、オンラインでのやり取りではあるが研究環境整備を整え、細かい点は現地での相談が必要となるが、多くの詳細な研究内容について詰めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍ではあるが渡航を含めた研究実施へ向けた準備が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
滞在先のタイにおいてもコロナ禍による活動制限に直面する可能性があるが、時期と方法を見計らって下記の研究・調査を実施する。 ①開発したGS1を洪水に対する地域知が豊富に存在するタイ・ナーン県の事例地域コミュニティ(事例1)で実施することで、地域知を抽出する。また、その際に地域知収集の一般的な手法である地図を使ったフォーカス・グループ・ディスカッションならびに長期間関与にも着目し、収集できた地域知の相違を分析することで、地域知収集におけるゲーミング・シミュレーションの妥当性と特長・課題を明らかにする。 ②GS1で抽出した地域知を、防災学習として別に開発するゲーミング・シミュレーションGS2の内容に組み込み、同じナーン県内の洪水災害が深刻な地域コミュニティ(事例2)で、 学習効果を検証する。その上で、その学習内容を参加者がどの程度自分たちの生活として取り入れられるか、地域コミュニティとして何ができるかを議論するワークショップを開催することで、文化影響を考慮にした受容可能性とその程度を示す。 ③その上で、事例2において、実施することになる活動を通じて、不参加者を含む地域住民の行動変容を明らかにし、地域コミュニティの防災文化の変容や包括的地域防災力の向上評価、そしてそれらの社会的規定因を明らかにする。
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