2022 Fiscal Year Research-status Report
Computer-assisted solution verification for the Navier-Stokes equation with large Reynolds numbers
Project/Area Number |
20KK0306
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
劉 雪峰 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (50571220)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | ナビエ・ストークス方程式 / 計算機援用証明 / Divergence-free条件 / 重調和作用素 / Homotopy法 / 非自己共役作用素 / ストークス作用素 / 固有値問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、流体の運動方程式を表すナビエ・ストークス方程式に対し、非自己共役微分作用素のノルム評価法を中心に解の解析を行い、解の存在証明に使用される作用素のノルム評価方法を開発することを目指しています。2022年5月から12月にかけて、研究代表者はドイツのカールスルーエ工科大学のPlum教授を訪問し、以下の課題に関する研究を進めました。 (1)ストークス作用素の固有値問題は重調和作用素の固有値問題に密接しています。重調和作用素の固有値問題に使われる鞍点式化の手法を応用し、非自己共役のストークス作用素の固有値問題を自己共役性のある鞍点型固有値問題に帰着する方法を考察しました。現在、ラプラス作用素の場合について、自己共役化された鞍点型固有値問題の理論的な妥当性を検証し、数値計算でその有効性も確認しました。この手法を使用することにより、従来の重調和作用に対して使用されていた高次有限要素法が不要となり、線形有限要素法でも元来の4階微分作用素の厳密な固有値評価が可能となります。 (2)Homotopy法を応用し、ストークス作用素の固有値評価方法も検討しました。固有値の逐次変化が必要となるHomotopy法において、局部領域のみでdivergence-free条件を満たす中間固有値問題を使用し、安定かつ効率的なHomotopy法を新たに提案しました。この新しい手法により、ストークス作用素の厳密な固有値評価時に、目標とする固有値問題を100以下の次元数の行列の固有値問題に帰着させることが可能となり、計算効率が大きく向上しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ストークス作用素の固有値評価に使用されたHomotopy法の改良は、事前には予見しきれなかった課題でした。研究訪問の間にPlum教授との綿密な議論によって、divergence-free条件が局部領域に成り立つ中間固有値問題を利用することで、安定なHomotopy法が得られて、これにより当初の計画以上研究が進展しています。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの議論を継続して、divergence-free条件を満たす鞍点型固有値問題を検討する予定です。また、検討結果の論文作成と投稿も進める予定です。
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Research Products
(14 results)