2023 Fiscal Year Annual Research Report
Computer-assisted solution verification for the Navier-Stokes equation with large Reynolds numbers
Project/Area Number |
20KK0306
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
劉 雪峰 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (50571220)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | ナビエ・ストークス方程式 / 計算機援用証明 / Divergence-free条件 / 固有値問題の厳密評価 / 精度保証付き数値計算 / 非自己共役作用素 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究では、3次元空間内を動く流体(液体や気体)の複雑な動きを新しい計算援用証明法で解析しています。研究者は、三次元領域の偏微分方程式に対する厳密な誤差評価を提案し、これにより世界初となる三次元領域での流れの検証例を報告しました。この成果は、世界中の研究者から注目を集めています。しかし、レイノルズ数が大きい流れの検証には既存の方法が効率的ではないため、レイノルズ数100以上の流れを検証するためには、新たな微分作用素の計算と評価方法が不可欠です。 研究代表者は、2022年5月から12月の間にドイツのM. Plum教授を訪問し、綿密な議論を行いました。その結果、以下の二つのアプローチで新たな固有値評価法を検討しました。まず、高次微分に関わる非自己共役微分作用素の固有値問題を鞍点問題に変換し、低次微分で現れる新しいY型のRayleigh商と変分式を提案しました。また、M. Plum教授が提唱するホモトピー法を拡張し、divergence-freeの条件を満たす部分領域を逐次拡大させるホモトピー・プロセスを提案しました。これら二つの重要な進展により、高精度かつ高効率な流れの検証が可能となると考えています。今後の研究では、これらのアプローチを整理し、具体的な計算例で提案方法の有効性を検証します。 さらに、本研究経費の支援により、研究者はヨーロッパやアメリカの10以上の研究所や大学を訪問し、多くの研究交流を行いました。2023年8月に東京で開催されたICIAMのミニシンポジウムと、その後北海道で開催されたNMSP2023のワークショップ(主催者=劉)では、代表者が海外の多くの研究者を集め、活発な研究交流を行いました。これらの活動を通じて、代表者の研究を含め、日本で行われている計算援用証明法の研究成果を発信し、国際的な研究の拡大を着実に推進できたと信じています。
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Research Products
(21 results)