2021 Fiscal Year Research-status Report
Mathematical analysis for CFRP
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20KK0308
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
吉川 周二 大分大学, 理工学部, 教授 (80435461)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | 炭素繊維複合材料 / 非線形偏微分方程式 / 誤差評価 / 漸近挙動 / 構造保存型数値解法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的は、基課題では将来的に取り組みたいとしていた炭素繊維複合材料の数学解析に取り組むことである。2021年度は、2022年度4月の渡航開始に向けての準備を進め、以下の研究成果を得た。 熱粘弾塑性の方程式について構造保存型差分解法の観点から調べた。塑性とは変形後に除荷しても形状が復元せず変形を残す性質のことである。熱粘弾塑性方程式は粘性を含む固体の弾塑性変形に熱伝導の影響まで考慮した変位と温度を未知関数とする連立偏微分方程式である。弾塑性には、完全弾塑性を停止作用素と呼ばれるヒステリシス作用素で表現したモデルを考える。この問題についてまずエネルギー保存・エントロピー増大・モーメント保存の三つの構造が継承される構造保存型差分解法を構成した。さらに、温度が空間変数について一様分布であるという仮定の下で、その解の存在および誤差評価を構造保存型差分解法に対するエネルギー法で証明した。塑性は変形(ひずみ)と応力の関係が一価の関数では表せないため取り扱いに注意が必要である。特に連続の場合と異なり時間について離散化すると停止作用素のいくつかの性質が損なわれることが問題となるが、上記の結果を得るために必要な停止作用素の評価の離散版を示すことで、この問題に対しても、形状記憶合金の熱弾性に関する結果と同様に構造保存型数値解法のエネルギー法が適用可能であることがわかった。 渡航の準備としては、定期的に共同研究者とオンラインでの連絡を重ね、渡航後の研究を進める上で必要な情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り情報収集および渡航に向けた準備ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り2022年4月よりドイツへ滞在し研究を更なる進展を図る。
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