2021 Fiscal Year Research-status Report
世界最長の電離圏密度トレンド導出に基づく地球気候変動の解明
Project/Area Number |
20KK0313
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
小川 泰信 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 准教授 (00362210)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | 超高層大気 / 電離圏 / 寒冷化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究では、主たる外国機関であるUiTノルウェー北極大学(トロムソ)の運用するトロムソ・イオノゾンデによる電子密度分布の推定精度を向上することにより、過去約86年間の世界最長の電離圏電子密度分布の長期変動・トレンドを導出することを目的としている。令和3年度には、1981年以降のトロムソイオノゾンデデータを基に、トロムソEISCATレーダーデータの電子密度の較正を実施した。また、コロナウイルス感染拡大防止のため、令和3年度にはノルウェー・トロムソへの渡航ができなかった。そのことも踏まえ、ノルウェー北極大学の研究者と共に毎月開催するセミナー等を通して、共同研究実施のための情報共有を行った。さらに、20世紀中頃の北極寒冷化に関する論文をレビューし、過去及び最近に得られている知見をまとめることにより、今回の研究の新規性をより明確にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大防止のために、UiTノルウェー北極大学(トロムソ)への渡航ができず、1981年以前のトロムソイオノゾンデデータを整備するには至っていない。現在実施可能である1981年以降のイオノゾンデデータを用いた解析を実施している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度には、UiTノルウェー北極大学(トロムソ)へ渡航し、トロムソ・イオノゾンデによる1935年以降の世界最長の電離圏観測データのデジタル・数値データ化の作業に参加する。さらに、1981年以降のトロムソEISCATレーダーデータから得られる電子密度の正確な高度分布とトロムソ・イオノゾンデ観測データを詳細比較することにより、イオノゾンデから導出する電子密度分布の推定精度を向上する。
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