2021 Fiscal Year Research-status Report
界面ダイポールを利用したRoll-to-Rollプロセスによる有機EL開発
Project/Area Number |
20KK0323
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森本 勝大 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (90717290)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | 有機EL / Roll-to-Roll / フレキシブル / 透明電極 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではフレキシブルデバイスに強みをもつ海外研究機関と共同研究を実施し、基研究課題で得られた成果を実用可能なフレキシブル有機ELへ発展することを目的としている。その中で、従来のガラス基板や透明酸化物電極の変更や、長期駆動安定性を得るため封止時術の検討が必要となる。
本年度は透明電極のパターニング技術検討を目的に国内研究を遂行した。従来の透明電極は酸化物電極が主流であり、成膜時に高温になる事や溶媒を利用するフォトリソパターニングが採用されてきた。今後フレキシブル化に伴い、フィルム基板の利用において溶媒や高温処理は基材破壊を招く。そこで、酸化物電極の新たなパターニング方法としてレーザー照射によるパターニングを実施した。ガラス基板上のインジウム錫酸化物(ITO)電極を従来パターニングのものと、レーザーパターニングのものを作製し、有機ELデバイスの透明電極として使用した。その際、パターニング条件を調整することで最適条件を選定した。しかし、作製したデバイス駆動時にはパターニングエッジでの集中電界が発生しており、電極端面からの局在発光が確認された。そこで、原子間力顕微鏡により表面形状を詳細解析すると、端面ITOの一部に凸部が確認された。そこで、パターニング後処理として塗布型ホール注入層であるPEDOT:PSSの塗布により凹凸の緩和を試みた。結果、端面集中電界による局所発光は低減し、従来パターニング基板と同等のデバイス性能が得られた。
本研究成果は年度末での成果取得であったため、成果発表等は次年度へ持ち越し本年度の成果としては列挙されない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は国内研究を予定通り遂行した。ただ、ワクチン接種に遅れがでており、渡航先との調整に時間を要し、交付申請が2021年12月となったため研究が遅れて開始した。しかし、当初予定していた、ガラス基板上のITOパターニングは問題なく実施できたため、研究全体に対する本年度の遅れに伴う影響は軽微である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の国内研究はガラス基板からフィルム基板への変更に伴う、ITOパターニングの影響を検討する。合わせてITO以外の透明電極についても評価し、フレキシブルデバイス応用時の性能評価も同時に検証する。
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