2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of non-equilibrium structures of poly(ionic liquid)s materials using small angle neutron scattering
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20KK0325
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡邉 貴一 岡山大学, 自然科学学域, 研究准教授 (60743979)
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | Poly(ionic liquid) / Iongel / SANS / Rheology |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ粒子と高分子イオン液体をネットワークとする高強度イオンゲルは、高性能な二酸化炭素分離膜や過酷条件で作動するアクチュエーターなどへの応用が期待される。本研究では、海外共同研究者の開発した流動場における中性子線散乱手法やレオロジー測定技術を駆使してイオンゲル内のミクロなネットワーク構造を明らかにし、高強度化に寄与する因子を解明することを目的としている。初年度はコロナ禍のため、海外共同研究者の所属機関を訪問することはできなかったが、申請者が作製したゲルサンプル、高分子を相手先に送付し、それら溶液物性に関する基本的な実験条件の設定を現地で進めた。具体的には、イオンゲルの架橋ネットワークを形成する高分子イオン液体の溶液中でのレオロジー測定、静的光散乱、小角中性子線散乱などのデータを取得し、高分子イオン液体の分子量を推定した。また、膨潤溶媒によって高分子イオン液体の高分子電解質としての振る舞いが大きく変化することが示唆された。この原因はまだわかっていないが、この特性はゲル調製時の力学特性に影響しうるファクターだと考えている。また、ナノ粒子の組成によって、イオンゲルの強度が大きく変化することを見いだした。海外共同研究者と蜜に連携するため、毎週、オンライン会議システムまたはEmailでのやり取りによって、データ解析に関する議論を実施した。また次年度に向けて、渡航の手続きを進めた。さらに、各国の放射光施設への共同利用申請書を申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の渡航制限のため、共同研究先に渡航する時期が遅れているが、オンラインでの実験打ち合わせやサンプルの送付によって、高分子イオン液体溶液のレオロジーおよび散乱に関する基礎的な実験検討を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
高分子イオン液体の溶液物性に関する実験結果をまとめて、論文に投稿する。高分子イオン液体ゲルに関する小角中性子線散乱実験やレオロジーの実験を渡航先で進めることによって、高強度イオンゲルの内部構造を理解する。
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Research Products
(1 results)