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2021 Fiscal Year Research-status Report

固体材料の微小重力環境における燃焼性予測手法の汎用化および微小重力実験による検証

Research Project

Project/Area Number 20KK0328
Research InstitutionGifu University

Principal Investigator

小林 芳成  岐阜大学, 工学部, 助教 (00827016)

Project Period (FY) 2021 – 2023
Keywords炭素繊維強化プラスチック / 燃え拡がり / 炭素繊維配合方向 / 熱的異方性 / 限界酸素濃度 / 燃焼性予測
Outline of Annual Research Achievements

本年度は,代表的な複合材料として炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を対象に燃え拡がり試験を行い,その燃え拡がり特性を調査した.CFRPは高熱伝導な炭素繊維(CF)とマトリックスである熱硬化性樹脂から成る複合材料である.そのため,CFの配合方向によって熱的な異方性を示す.そこで,様々な方向にCFが配合されたCFRPシートを作成し,異方性が燃え拡がり特性に及ぼす影響について深く調査した.その結果,CF配合角度が大きくなるにつれて,CFRPシートの燃焼性が低下することが分かった.これは,燃え拡がり方向とは異なる横方向への熱輸送が顕著になり,火炎からCFを介して未燃領域へ輸送される熱量が低下したことに因るものと推察される.de Risモデルなどの従来の燃え拡がりモデルは,固相内の熱輸送を考慮していないため,上記のような効果は含まれていない.そのため,当モデルをもとに燃え拡がり限界を指す限界酸素濃度(LOC)を推算したところ,実験値とは定性的にも一致しないLOCが導出された.そこで現在は,固相内の熱輸送および異方性による影響を考慮した燃え拡がりモデルに改良し,それをもとに定量的にも正しいLOCを算出する手法の構築に取り組んでいる.そして,当手法をもって微小重力環境におけるLOCを地上の燃え拡がり試験の結果から算出し,それが正しいか微小重力実験により検証していく.本年度得られた知見は,来年度以降の礎となり得る重要な成果であり,また燃焼科学や火災安全工学の深化および発展に資するものである.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で本年度中の渡航は叶わなかったが,研究は着実に遂行できており,異方性を有する炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の燃え拡がり挙動の調査および従来の燃え拡がりモデルではCFRPのような異方材料を扱えないことを検証できたため.

Strategy for Future Research Activity

本年度得られた結果をもとに,固相内の熱輸送および材料異方性の影響を考慮した燃え拡がりモデルの構築・完成を目指す.当モデルの検証は,限界酸素濃度および燃え拡がり速度の実験値および理論値の定量的な比較により行う.その上で,他の複合材料や異方材料に対しても当モデルが適用可能か更に検証し,燃え拡がりモデルの高精度化および汎用化を図る.また,それと並行して,独ブレーメン大学での微小重力実験に向けた渡航準備や実験装置の設計・製作等も進めていく.

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 炭素繊維配合方向の異なる炭素繊維強化プラスチックの下方燃え拡がり挙動2021

    • Author(s)
      松川 直生, 松本 圭佑, 小林 芳成, 高橋 周平
    • Organizer
      日本マイクログラビティ応用学会 第33回学術講演会(JASMAC-33)
  • [Presentation] 対向流速中に置かれたCFRPの火炎伝播挙動に及ぼす炭素繊維配合方向の影響2021

    • Author(s)
      松本 圭佑, 松川 直生, 小林 芳成, 高橋 周平
    • Organizer
      第59回燃焼シンポジウム

URL: 

Published: 2022-12-28  

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