2021 Fiscal Year Research-status Report
1次元細胞運動における核と細胞膜の協調移動機構の解明
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20KK0341
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
末次 志郎 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (70345031)
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Project Period (FY) |
2021 – 2024
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Keywords | 細胞運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
1次元、2次元、3次元運動の実験的解析 米国共同研究チームでは、直径100 nm程度以上のポリスチレンファイバーをメッシュ状に編み込み、細胞外基質の繊維に相当する太さの人工繊維を得ることができる。研究では、米国共同研究先の作成したポリスチレンファイバーに、申請者らが渡航前に作成したIRSp53や関連因子のノックアウト細胞などを用い、米国共同研究先にて申請者と共同で1次元の細胞外基質での細胞運動の性質、特に、細胞膜と核の連結機構、をまず観察した。コロナなどにより渡航が困難であったので細胞を送付し、観察をおこなったところ、十分な数のデータが得られた。そこでは、IRSp53のノックアウト細胞において、細胞運動の減少が見られた。また、ファイバーを送付してもらい、日本でも観察を行い、同様の結果を得た。 1次元、2次元、3次元運動の理論的解析 これまでの細胞運動の理論的な研究では、細胞は2次元の粘着性の平面膜に受動的に接着するものとして扱われてきた。したがって、本研究のような1次元の細胞外基質の細いファイバーに細胞が接着することは考慮されていなかった。一方で、高い膜曲率が、細胞の突出構造をどのように誘導するかについて理論的な考察によれば、細胞膜の細胞突出膜や陥入などの曲率構造に応じて、細胞内の分子集合が制御され、ついでアクチン細胞骨格が再構成され、細胞膜の突出膜が連続して形成され伝播する。本年度は、細胞運動から、核と細胞先端を抽出し、運動の定式化をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
渡航はできていないものの、研究の進展は見られるため。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航して、理論及び実験の共同研究を行うことで着実にデータを蓄積し、論文を出版する。
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[Journal Article] FBP17-mediated finger-like membrane protrusions in cell competition between normal and RasV12-transformed cells2021
Author(s)
Tomoko Kamasaki,Yumi Miyazaki,Susumu Ishikawa,Kazuya Hoshiba,Keisuke Kuromiya,Nobuyuki Tanimura,Yusuke Mori,Motosuke Tsutsumi,Tomomi Nemoto,Ryota Uehara,Shiro Suetsugu,Toshiki Itoh,Yasuyuki Fujita
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Journal Title
iScience
Volume: 24
Pages: 102994
DOI
Peer Reviewed / Open Access